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三菱ガス化学と日立製作所、半導体材料などの新素材開発DXでの協創を発表

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 三菱ガス化学と日立製作所は、三菱ガス化学の機能化学品事業部門において、AIやデータ解析により新材料や代替材料を効率的に探索する「マテリアルズ・インフォマティクス(以下、MI)」など先進のデジタルソリューションを活用し、半導体材料において目標性能を満たす新素材探索の精度を約50%程度向上するほか、新素材探索に必要な実験時間を30~50%短縮することを確認した。

 今後、新規事業の創出や育成の加速に向け、研究開発部門における高効率な新素材開発のDXにより競争力を強化するとともに、研究開発から製造まで最適化されたエンジニアリングチェーンでつなぎ、革新的な生産改革の実現をめざすとしている。また、プロセスの技術革新やライフサイクル全体での温室効果ガス排出量に配慮した環境貢献製品の技術開発の推進により、事業を通じた気候変動問題の解決に寄与すると述べている。

 三菱ガス化学では、2021年度から3年間の中期経営計画「Grow UP 2023」において、「環境変化に強い収益構造への転換」と「社会的価値と経済的価値の両立」を目標に掲げ、競争優位となる差異化事業のさらなる拡大や長期的な視点での温室効果ガスの排出削減など取り組みを進めている。

 ユーザーニーズに直結した高屈折率レンズ材料などの先端製品の開発に注力する機能化学品事業において、2019年から、日立製作所を協創パートナーとして、研究プロセスの高度化と効率化を行ってきたという。データの可視化と予測に基づく素材開発のDXにより、特色ある高付加価値製品の提供に向け、MIのさらなる活用を推進していくとしている。

協創の内容と成果について

 三菱ガス化学の機能化学品事業部門では、日立製作所のLumadaで展開する「材料開発ソリューション」を活用することにより、CO2由来の素材を用いた仮想実験などにおいて、新素材探索の精度向上と実験時間短縮など、素材開発の効率化による環境負荷の軽減に貢献しているという。

1.最適組成探索のための仮想実験により、実験回数削減や実験精度向上を実現

 これまで熟練者が手作業で、大量の原材料とその配合比率のパターンから、新規の高機能ポリマーや半導体材料の条件探索をしており、工数を要していた。MIを用いた仮想実験により、新素材に要求される特性を満たす素材の組み合わせの探索に成功。本技術により、従来、人手での作業で膨大な時間を要していた新素材の条件探索が効率化し、開発期間を大幅に短縮することができたという。

2.電子顕微鏡画像と材料品質の関係性の定量化により、材料品質を安定化

 これまで熟練者の経験をもとに、顕微鏡画像や目視観察などで材料の画像と品質の関係性を定性的に判断していたため、実験結果の再現が困難であったという。MIと画像解析技術を用いて、原材料の顕微鏡などの大量画像から材料性能の異常を自動識別することで、製品開発時の最終実験候補の組み合わせを従来手法の約半分程度の時間で見出すことに成功。本技術により、顕微鏡画像から材料品質を定量的に判断でき、製品開発時の品質安定化を実現したという。

3.研究計画・実験データ・研究プロセスの統一的な蓄積・利活用により、研究者間の情報共有を円滑化

 これまで、実験が複数工程に跨るため、研究計画と結果の関係性を把握することが困難であったという。実験データを管理するサービスを用いて、研究計画、実験データ、計画・承認・実行などの研究プロセスの統合化・可視化、研究者間での実験情報の共有を実現。これにより、研究における依頼・承認などのステータス管理や過去の実験データの検索が容易になり、新規樹脂開発の合成に関する実験管理時間を30~50%削減することができたという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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