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リクルートの「Ring」とTISの「Be a Mover」、2人の新規事業制度運営者が語る組織と文化

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 株式会社ビザスクが2月22日に開催した「ビザスク Innovation Day 2022」より、「イノベーションを生み出す組織と文化」の様子をお届け。リクルートで新規事業提案制度「Ring」のプログラム運営を担う渋谷昭範氏と、2021年より新規事業提案制度「Be a Mover」を始めたTISの鈴木松雄氏が、制度運営の目的、新規事業を通じた企業文化の醸成、大企業で新規事業を生み出す難しさなどについて議論した。モデレーターはビザスクの木下恵里氏が務めた。

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経営理念と紐づいた両社の取り組み

木下恵里氏(以下、敬称略):本日は、イノベーションを生み出す企業の背景にある「組織」や「文化」について、実際に社内でイノベーションを生み出す仕組みを仕掛けてきたお二人にお話を伺っていきます。まずは現在携わっている取り組みについてお聞かせください。

渋谷昭範氏(以下、敬称略):私はリクルートで新規事業提案制度「Ring」のプログラム運営に携わっています。また、「Ring」を通過したアイデアの事業検証を行う新規事業開発室の部長も担当しています。

 「Ring」とは、リクルート全社で行っている新規事業提案制度で、約40年続いているものです。これまで「カーセンサー」「ゼクシィ」「スタディサプリ」や、「ホットペッパー」の前身となる「生活情報サンロクマル」などがこの制度から誕生しています。4月から6月の書類でのエントリー期間に約1,000件の応募が集まり、1次審査を通過したチームが10月からのブラッシュアップ期間を経て12月に2次審査、そして2月中旬に「Ring AWARD」として最終発表を行っているプログラムです。

 リクルートは経営理念として「新しい価値の創造」「まだ、ここにない、出会い。」といった言葉を掲げています。経営理念を具体的に明文化した言葉に「起業家精神」「圧倒的な当事者意識」「個の可能性に期待し合う場」というものがあり、それを体現しているプログラムが「Ring」です。リクルートの企業文化を使って種を植え、そこから次世代を担う期待事業を創出することを、「Ring」と新規事業開発室で目指しています。

 また、新しく「Ring Dash」というプログラムも始めました。これは既存事業やスタッフ部門への提案を募るもので、“1000→1001”も価値の創造だと捉えて実施しています。

木下:ありがとうございます。続いてTIS 鈴木さんの取り組みをお聞かせください。

鈴木松雄氏(以下、敬称略): TISインテックグループの基本理念「OUR PHILOSOPHY」の、世の中に新しい価値を提供する、企業として革新しながら成果をあげていくという考えをもとに新規事業を創っていこうと考え、「Be a Mover」と題した新規事業提案制度を、2021年の4月から開始しています。TISの従業員5,838名のうち、8名が最終審査まで残っている状況です。

 私は、イノベーター人材はとても希少で、イノベーターをどのように育てていくかが今後の経営の鍵を握ると考えています。特にイノベーターとしてのマインドは学んで身につけるのが難しいので、どのように培養していけばいいのか悩んでいるところです。また、公募型の新規事業提案制度の永続性をどうやって社内に築いていくかをチームのミッションとして考えています。

 社内に対しては、イノベーションを生み出す鍵である「Composability(様々な要素を組み合わせる力)」を意識して新規事業を考えてほしいと伝えています。また、「世界の運用期間資産残高ランキング」を見せるようにしています。何百兆円という規模間で世界が動いている中では、10億円、100億円ですら吹けば飛ぶ規模です。次代を担う新規事業となるよう、より俯瞰した目線でチャレンジしてほしいと考えています。

木下:ありがとうございます。ここからは

  • 新規事業提案制度を運営する目的
  • 新規事業を生み出す企業文化を醸成するための時間軸
  • 大企業で新規事業を生み出す難しさと可能性

という3つのテーマで議論を進めていきたいと思います。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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