武蔵野美術⼤学は、経済産業省の令和3年度「創造性リカレント教育を通じた新規事業創造促進事業」(コンセント受託)において、創造的思考力を学習・実践する「価値創造人材育成プログラム=Value Creation Program(以下、VCP)」を実施している。
「創造性リカレント教育を通じた新規事業創造促進事業」とは、大企業などに埋もれている人材に対し、創造性などを磨くためのリカレント教育などを支援し、新規事業創造を促進する事業。
VCPプログラムは、創造的思考力(クリエイティブシンキング)を用いた既存の課題を解決するアプローチだけでなく、課題そのものを発見する「課題発見力」や「価値創造力」を習得するプログラムだという。なお、創造的思考力とは、デザイン思考やアート思考など、特定のものにとらわれず善や美を追求する人文知の活用など、多様な視点を調和・統合させることを通じて、新たな関係性を見出す「構想力」「観察力」「批判力」を基礎とした力だとしている。
同プログラムは8日間の構成となっており、新規事業を創出するための視点や考え方の習得を目的としている。前半3日間では「造形教育プログラム」を体験し、「観察力・批判力・構想力」を習得。その後4日間では、グループワークを中心としたプログラムを展開し、本質的な課題発見力から価値創造力を体得するとともに、クリエイティブ人材によるメンタリングを通した、広い視野を習得できるという。
最終日には、プレゼンテーションと講評を通じて、通常のデザイン思考プログラムとは異なる、本質的な美術の力を用いた事業創造力の習熟度を確認。また、メンタリングプログラムおよびメンターの派遣については、同学校友会やCEKAI(世界)の協力を得て、同学卒業生を中心としたアーティストやデザイナーがグループワークにおいてメンターにつくという。アーティストやデザイナーが、設定したパーパスやコンセプトに対しどのような思考や態度で捉えているのか体感することができるとしている。
今後、VCPは新規事業開発だけでなく、アートやデザインをビジネスに実装するプログラムとして開発。企業向けプログラムや個人向けプログラムとして社会に提供し、新たな価値創造教育プログラムとして展開することを予定しているという。
VCPプログラムの対象者は以下のとおり。
- 創造的思考力を用いて、社会的イノベーションを起こそうとする人
- 創造的思考力の基礎的な力を用いて、課題発見力・課題探究力をつけようとする人
- 大企業などにおいて新たな事業や価値を創造しようとする人
- 役所、自治体などにおいて政策デザイン、地域振興などに取り組む人
- 起業、スタートアップを検討している人