凸版印刷は、温度を一定時間ごとに測定・記録し、その履歴データを無線通信によりデータベースに転送できる薄型カードサイズの「温度ロガーラベル」を開発した。
同製品は、貼付された荷物の表面温度の変化を任意のタイミングで自動記録するもの。5m程度の長距離通信が可能な「UHF帯」と、スマートフォンへの搭載が進む「NFC」の2種類の周波数帯に対応している。専用アプリケーションを使って読み取られた、出荷からその時点までの「ログデータ(日時と温度などの記録)」と、読み取り場所などの「トレーサビリティ情報」を、専用のクラウド型管理システムに転送し、輸送中の温度変化を時系列的に追跡・管理するという。
製品の特長は以下のとおり。
1.構造と機能のシンプル化で既存品の10分の1以下の価格に
温度センサー付きICチップの搭載、使い切り型バッテリーの採用、動作設定はスマートフォンアプリのみで行うなど、構造と機能をシンプル化。すべての梱包に貼り付けて個々の温度変化を記録する運用や、配送後にラベルを回収しない「ワンウェイ利用」など、これまでにない使い方が可能となる。
2. 温度測定の間隔は最短1秒から最長60分、測定開始のタイマー機能も搭載
たとえば、60分ごとの測定なら6ヵ月間分の温度履歴を記録。また、温度測定の開始をタイマー設定することで、冷蔵保管庫内での作業時間が短縮し、作業者の負荷を軽減する。
3.温度測定モードの選択により38,000回以上の記録が可能
温度測定モードを3種類から選択可能。ICチップに測定日時と温度情報を記録する「通常モード」と、温度情報のみを記録し、データを読み取った後に管理システム上で日時と付け合わせる「コンプレスモード」。また、「常温」「冷蔵」「冷凍」といった「温度帯区分」のみを記録する「リミットモード」を導入。「リミットモード」では、「通常モード」より8倍多い38,000回以上の回数を記録することが可能となる。
4.データ読み取り「専用アプリ」と、温度履歴を管理する「クラウド型管理システム」を用意
温度記録を読み取る専用アプリケーションと、読み取った温度記録を可視化するクラウド型の管理システムを統合的に開発。クラウド型管理システムには、「温度ロガーラベル」への不正アクセスを防ぐ「アクセス認証機能」や、輸送品の状態を管理する「トレーサビリティ管理機能」など、長距離輸送時の温度管理に求められる機能を搭載しているという。