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『シリアル・イノベーター』著者が語るブレイクスルーイノベーションの流儀

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シリアル・イノベーターは対人スキルを鍛え、社内政治への関与を厭わない

 プライス氏によれば、インタビューに応じたシリアル・イノベーターの多くが、キャリアの初期には与えられた問題を解決して上司に戻せばそれで自分の仕事は終わりだとナイーブに考えていた、と語ったという。彼らは、ブレイクスルーイノベーションを起こしたくなったときに社内政治に関わる必要性に気付く。自分のアイデアを自分以上に理解・評価している上司も同僚もいなければ自分自身でそれを売り込むしかない。そして何としても製品化にこぎつけなければならないという強い思いから、対人スキルを磨くのである。

シリアル・イノベーターは、社内政治的な課題に対しても、クリエイティブに解決しようとします。私たちは、エンジニアであれ、デザイナーであれ、“インフルエンス・スキル”はイノベーターが備えているべき重要なスキルだと考えています。ルールは破っていいときもあればいけないときもありますが、彼らは相手や状況に合わせてそういった判断をし、人々を巻き込みながらうまく組織を動かしていきます。
(プライス氏)

「最適化の文化」対「イノベーターフレンドリーな文化」

 一般に成熟企業では、コスト削減、予測、安定、信頼性、構造化といったことばで特徴付けられる業務が盛んで、組織内では最適化(Optimization)の文化が発達している。対照的に、イノベーターフレンドリーな文化の特徴は、利益の増大、不確実性、流動性、機敏さなどのことばで表される。組織内に存在するこの2つの対立する文化をプライス氏は次のように説明する。

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