人の測位を実現するPDRは、加速度・ジャイロ・磁気・気圧センサといった複数のセンサを利用し、GPSでは困難な屋内環境での測位を可能にする技術として注目されてきた。
しかし、対象者への計測装置の装着を前提としており、この装置のサイズが大きい、連続稼働時間が短い、といった課題のため本格的な普及が滞っていたという。
サイトセンシングでは、この点に着目、最終的な計測装置を社員証カード並みのサイズ・重量にすべく開発を進め、このほど、消費電力を従来の10分の1以下にすることに成功したという。
これにより、計測装置容積の90%強を占める電池の小型化に繋がり、10時間以上の連続駆動を可能としつつ、その計測装置を社員証カード程度のサイズに収めることの実現のめどが立ったとしている。
社員証カードサイズの計測装置によって、人間の屋内測位が可能になると、工場作業員は元より、オフィス内ホワイトカラーの行動計測・移動軌跡把握も容易となり、不合理な動きの是正により生産性アップに繋がることが期待できるという。
また、商業施設・イベント会場来場者へも、小型な装置であれば装着を依頼し、敷地内での移動状況・軌跡を把握することも現実的となるという。一般消費者の行動把握が可能となれば、販売の機会拡大・売上向上施策へ繋がると共に、災害時における人流把握・顧客誘導へも多大な効果が見込まれるとしている。
サイトセンシングでは、この新PDRの要となる要素技術を、開発者向けSDKの形で5月15日より提供しつつ、計測装置の社員証カード化の実現と、PDR技術の本格的事業化へ向け、パートナー企業を探す計画だ。