事業共創を手がけるRelicは、2025年12月25日より新規事業創出に特化した在籍型出向サービス「Intrapreneur Outside Residence(IOR)」の提供を始めた。本サービスは、大企業に所属する社内起業家がRelicへ出向し、事業開発に特化した環境で自身のアイデアを事業化することを支援する。

IORの最大の特徴は、大企業の社内起業家がRelicの「出島」スキームにより、スピード感とリスクを両立しながら事業検証を進められる点である。従来のEIR(Entrepreneur in Residence)は外部の起業家を招く仕組みだが、IORでは自社社員がRelicに出向し、外部環境で事業創出の実践を積む。これにより、研修だけでは得られない自走力やリーダーシップを鍛え上げ、事業創出と人材育成の両立を実現する。
背景には、日本企業でイントレプレナー(社内起業家)育成の重要性が高まっている現状がある。欧米で広く導入されるEIR制度が日本でも関心を集めている一方で、多くの大企業は社内起業家制度や新規事業プログラム通過後の制度設計が未整備となっており、実戦経験を積む環境が不足している。そのため、挑戦者が事業創出を実践する機会が限られている。
Relicはこれまで「DUALii」スキームを活用し、大手製造業やインフラ企業など50件以上の新規事業を代理検証・代理運営してきた実績があり、「自ら事業を立ち上げる経験を積みたい」「社内起業家を実戦環境で育成したい」との企業ニーズに応えてIORを開始した。
IORの利用者は、Relicに在籍しながら事業責任者として意思決定・推進を担い、「DUALii」を通じてRelic名義で事業をリリース。ビジネス・テクノロジー・クリエイティブが一体となった組織が専門的に支援することで、スタートアップ水準のスピードで事業開発を行う。契約は在籍型出向で、出向元企業との雇用契約を維持したままRelicと出向契約を締結し、給与もRelicから支給され、費用構造の透明性と企業側の負担最適化を図る。
本サービスは、出島でのスピード事業化、事業創出を通じた経営人材育成、出向者の経験の組織への還流による挑戦文化の醸成を特徴としている。RelicはIORを通じて新規事業開発だけでなく、次世代のイントレプレナー育成と組織変革を支援する方針だ。
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