EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は、これまで提供していた「経済安全保障を起点とした企業経営リスクマネジメント支援」に、新たに企業が有事に想定すべきリスクシナリオをシミュレーションし、対策を検討する「国際情勢の未来リスクシミュレーションに基づく実践的BCP(事業継続計画)立案支援」を追加提供すると発表した。
同社は、世界の大国や地域が独自の規制や複数国間の枠組みを構築するなど、自国に有利なルール形成を進めていたり、感染症のまん延や紛争などにより、地政学的なリスクが企業活動に直接的な影響を及ぼし、業績に直結する事態が増え続けていると述べている。
日本の企業が産業競争力を維持するためには、複雑化する有事を想定し、世界の動向を踏まえた守りと攻めの対応が不可欠だという。また、日本においても、経済安全保障推進法案が2022年5月に成立し、重要物資の安定的な供給に向けたサプライチェーンの強靭化、重要技術の確保といった観点で、企業は政府が今後定める規制措置に対応していくことが求められている。
EYSCは今回、「国際情勢の未来リスクシミュレーションに基づく実践的BCP立案支援」の提供を発表。各国政府の情報機関やシンクタンクにおいて、安全保障分野における有事シミュレーションや外交シミュレーションに携わってきた専門家が、歴史的な意思決定の変 遷や国際関係理論などに基づいて、企業が直面する可能性のある未来のリスクシナリオを立案するとしている。
国際情勢の未来リスクシミュレーションに基づく実践的BCP立案支援について
地政学リスクの中で持続的な成長を続けるには、受け身ではなく、能動的な機先を制する対応を計画しておく必要があるという。その際に重要となるのは、各国にて水面下で行われている政策協議について、質の高い一次情報を把握し、政策化される前の段階で予兆を把握し、経営へのインパクトとして解釈する経済インテリジェンスだとしている。
また、リスク シナリオも教科書的な事象ではなく、各国の重要人物の発言、政府機関などが発信する情報、世界各地で発生する事故などを分析し、想定される有事から企業が直面する可能性のある未来のリスクシナリオに対する、実践的なBCPを立案する必要があると述べている。
同サービスでは、シナリオが発現した場合、各企業の特性に合わせた影響分析、および影響を回避あるいは最小限に抑えるために採るべきアクションのロードマップ化についても支援するという。