組織風土改革と人的投資のリターンの明確化
小売・フィンテックのDXを進める上では組織そのものの変革も必須であり、丸井グループも例外ではなかった。「強制」「やらされ感」「上意下達」「本業と社会貢献の分離』「業績の向上」といったワードに象徴される従来の企業文化から、「自主性」「楽しさ」「支援」「本業を通じた社会課題の解決」「価値の向上」といったことに重点を置く企業文化へ。そのためにさまざまな施策を同時進行で進めてきたという。
まずは「企業理念」の浸透。現在は「人の成長=企業の成長」という人的資本の考え方を中心の置く同グループだが、そうした理念を練り上げるまでには徹底して対話の場を設け、全社員で10年以上にわたって話し合いを積み重ねてきたという。「理念に共感できない社員が去った結果、一時的に離職率は上がったが、共感の輪が十分に広がった現在では3%前後の低水準で安定している」と相田氏。