小野薬品工業と日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)は、共同でデータドリブンな統合データ利活用基盤「OASIS(Ono Advanced Scientific Insight Service)」を構築し、小野薬品が社内で保有するデータを一元管理して、全社的に利用を開始したと発表した。
OASISは、小野薬品の各部門が保有しているデータ、リアルワールドデータ(RWD)などを全社横断的に1つのプラットフォーム上で分析できる、統合データ利活用基盤。導入により、データを一元管理でき、強固なデータガバナンス体制を実現できるとしている。
また、改正個人情報保護法に則り、厳格なデータセキュリティガイドラインの基に整備。これにより、個人情報を匿名加工情報や仮名加工情報などに加工することで、安全にデータを利活用できる環境を整えられたという。個人情報を保護しつつAI分析を行い、新しいエビデンス創出に貢献していくと述べている。
小野薬品は、これまで各本部(研究、開発、営業、生産・CMC、信頼保証など)が各々異なるシステムを用いており、膨大で複雑なデータを保有していたが、OASIS構築により各部門で保有するデータを全社横断的に一元管理し、利活用できるように体制を整備した。
今後は、臨床現場で得られるRWDをはじめ、社内の各部門で蓄積された非臨床試験(実験・研究)データ、臨床試験データ、安全性情報などを一元管理し、全社で利活用することで迅速かつ効率的に新薬を創出できるよう取り組んでいくという。
また、データガバナンスとセキュリティの強化を図るとともに、リスクの低減およびコスト削減を期待していると述べている。
NSSOLは、OASISの導入による早期効果発揮に向け、小野薬品とボトムアップでのデータ利活用の定着活動をはじめ、DX推進の文化醸成とあわせたOASIS活用促進施策を企画・推進しているという。今後は、OASISによるデータ利活用のためのアクションプランの検討、立案からPoC(概念実証)の実現に向けて、小野薬品と協働していくという。