三菱電機は、同社AI技術「Maisart(マイサート)」を用いた作業分析ソリューション「骨紋(こつもん)」を応用し、「骨紋による危険行動検知技術」を開発した。
近年、安心・安全へのニーズが高まっており、駅や空港などの公共エリアでは、暴力行為などの危険行動を的確に発見することが求められている。一方で、広範囲を短時間で漏れなく確認することは難しく、発見までに時間を要したり、発見できなかったりする場合もあるという。
そのため、カメラ映像を取得し、AI技術を活用して人の属性やふるまいを分析する事例が増えているが、従来の技術では、複数人いても1人の姿勢のみを分析していたため、暴力行為と握手のように姿勢が似ている行動を誤検知することもあった。
今回開発した技術は、まずカメラ映像で検出した骨格情報から複数の人物の動きに相関があるかを判定。相関がある人物の動きをAIで分析することにより、誤検知を抑制した危険行動検知を実現したという。
また、複数人物の動きの特徴を検知するために、骨格が動いた軌跡、距離、速さを利用。例えば、握手の場合、骨格はほとんど動かず、距離や速さも小さくなる。一方、つかみ合いの場合、人物Aが人物Bを押すと、骨格が動いた軌跡が同じ方向に発生し、距離や速さも大きくなる。骨格が動いた軌跡、距離、速さと行動内容の関係性をAIで学習することで、暴力行為などの危険行動を約90%の精度で自動検知できたとしている。