NTTデータは2023年3月1日、健康データを活用した商品・サービスなどを検討する企業が、実データを活用してサービス構想などを検証できる場の提供を目的とした、「Health Data Bank（ヘルスデータバンク）共創実証ラボ」を開設した。
同ラボは、クラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bankに蓄積した、NTTデータの社員モニター約600名分の健診結果やFitbitから得られる歩数、睡眠などのデータをラボ利用企業に提供し、ラボ利用企業はそれらのデータを利用して商品・サービスなどの企画・評価に活用できる仕組みだという。
4月末までの期間で、三井不動産、東京海上日動火災保険、明治、ダイエーなどの複数企業が参加するオープニングイベントを開催している。
ラボの目的
健康データを活用した商品・サービスなどを検討する企業に対して、実データを活用して商品・サービスなどを検証できる場を提供。ラボ利用企業と健康データの活用に伴うベネフィットを体感・実感できるサービスを共創し、生活者が健康データを活用して、ウェルビーイングを実現することが当たり前になる未来社会の早期実現を目指す。
ラボのサービス内容
社員モニターのデータ提供
Health Data Bankに蓄積したNTTデータの社員モニター約600名の入社後の経年健診結果や、Fitbitから得られる歩数、睡眠などのデータを、ラボ利用企業の検証内容に応じたデータ形式に加工して提供。企業は、社員モニターの実データを用いて商品・サービスなどの検証を行い、改善や新サービス開発に役立てられる。
社員モニターによるサービス評価
社員モニターが、ラボ利用企業の商品・サービスなどを実際に使用した上で、ラボ利用企業が用意したアンケートなどに回答する。
有識者による支援
NTTデータのデータサイエンティストがデータ分析などを支援。また、業界動向に精通している各インダストリ部門と医療・健康を専門とするヘルスケア部門が連携して、ブレークスルーアイデアの創発や具現化を支援する。
ラボ利用企業にとってのメリット
これまで机上検証に留まっていた商品・サービスなどについて、社員モニターのさまざまな健康データやアンケート回答結果などを活用しながら、マーケティング調査やリアリティーをもった検証などを実施できる。また、同ラボを利用する他企業とのサービス連携について、企業間で合意することを前提に、検証することも可能だという。
オープニングイベント
同ラボの開設に先駆けて、2023年3月～4月末にかけてオープニングイベントを開催。健康データを活用した商品・サービスなどを検討するさまざまな業界の企業やNTTデータの社内プロジェクトが、社員モニターの健康データを活用して、マーケティング調査や商品・サービスなどの検証に取り組むとしている。
主な参加企業と検証の内容は以下のとおり。
- 三井不動産：柏の葉スマートシティの住民向けポータルサイト「スマートライフパス」で提供している「カロママプラス」、「Beatfit」および「メディカルノート」の“ワーカー向けサービス”としての事業性の検証
- 東京海上日動火災保険：健康データを活用した保険商品の開発とマーケティングのあり方を検討するための調査
- 明治：健康データを活用した商品効果の検証
- ダイエー：豊洲センタービルアネックスCatch＆Go店舗での健康データを活用した提案商品の販売および効果検証
- PSP：患者向けPHRアプリ「NOBORI」とHealth Data Bankのデータ連携にかかる事業性の検証
- NTT DXパートナー、ブレインスリープ：「睡眠偏差値for Biz」および「ブレインスリープコイン」の睡眠データとHealth Data Bankのデータ連携にかかる事業性の検証
NTTデータは今後、モニター対象を社外にも拡大してモニター人数を増やし、取り扱える実データを増やすことで、同ラボにおける検証精度を向上させていくという。また、自社の顧客などを対象に商品・サービスなどを検証する企業に対して、同ラボのシステム環境そのものを提供することも計画中だとしている。
