デロイト トーマツ ベンチャーサポートは、国内大企業およびベンチャーキャピタルを対象に、第2回目となる「気候変動(脱炭素)領域におけるイノベーション活動の実態調査」を実施した。
同調査は、気候変動事業に係る国内企業の関心度や取り組み状況、取り組み体制と手法、関心のあるClimate Tech領域の取り組みやテクノロジーなどについて分析している。調査の概要は以下のとおり。
- 実施主体:デロイト トーマツ ベンチャーサポート
- 調査方法:インターネットを通じたアンケート調査
- 調査期間:2022年11月8日~12月9日
- 調査対象:国内大企業およびベンチャーキャピタル(Morning Pitch会員)
- 回答者数:144名/144社
事業会社の現状
事業会社の回答者127名中、9割以上が気候変動は「社会」と「自社」および「自分の部署」が取り組むべき課題であると回答。一方、気候変動事業創出に向けて具体的な行動を起こしている企業は昨年と変わらず6割程度であり、成果(売上)を出している企業も同様に昨年と変わらず、1割に留まる結果だったという。
カーボンニュートラル方針の策定、イニシアチブへの賛同・参画の対応は昨年より進んでいる傾向が見られたという。気候変動事業に係るチーム組成や「事業開発担当」の配置も昨年と比べて進み、スタートアップとの関係構築も、昨年より前進が見られたとしている。一方、 「投資担当」についてはまだほとんどの会社で配置されていないと述べられている。
事業への取り組み手法については、戦略的提携/協業との回答が7割程度であり、自社単独での検討を超える結果となった。また、資本提携やM&Aも進展が見られることから、外部との協業が主流化していると考えられるという。
関心のある取り組み/テクノロジーについては、再エネ関連と電化が昨年と変わらず高い関心を集めているが、サーキュラーへの関心も上位であった。前年比で見た場合、CCUSやカーボンクレジットへの関心も急伸。先端技術領域では、エネルギー長期貯蔵(LDES)とグリーン水素が高い関心を集めており、これら技術に対するスタートアップへの期待も高いことが分かったとしている。
サステナビリティ情報開示においては、約4割がスタートアップ関連の情報を開示しており、その内容は協業や出資に係るものだったという。