NTTデータ先端技術は、熊本県球磨郡球磨村(以下、球磨村)および球磨村森電力と共同で、2023年1月より開始した分散型エネルギー情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験を完了した。
実証実験では、災害時のレジリエンス強化や自家消費率の増加による再エネの最大限の活用と、コストメリットの向上などを目的に、球磨村の村有施設などに設置された自家消費型太陽光発電設備・蓄電池から、IoTデバイスを用いて発電量などの情報を収集。クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化、および蓄電池の充放電制御について有効性を確認したという。
この実証実験を通じて、地域脱炭素を進めていこうとする自治体や地元企業などが、災害時のレジリエンス強化や低コストで暮らせる街づくりなど、地域裨益型の再エネ発電設備の導入をスムーズに行えることが期待されるとしている。
実証実験の概要は以下のとおり。
- 名称:分散型エネルギー情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験
- 実施期間:2023年1月~3月
- 実施場所:熊本県球磨郡球磨村の村有施設・民間事業施設(計5施設)
- 実施結果:自家消費型太陽光発電設備・蓄電池に取り付けたIoTデバイスから発電量や電力利用状況などの情報を収集し、クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化および蓄電池の充放電制御について有効性を確認
役割分担
- NTTデータ先端技術:システムの提供・コンサルティングメニューの取りまとめ
- 球磨村:実証フィールドの提供
- 球磨村森電力:システムを実証フィールドで運用
現時点では、自家消費型太陽光発電設備・蓄電池に取り付けたIoTデバイスから発電量や電力利用状況などの情報を収集し、クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化および蓄電池の充放電制御が可能であることまでの検証が完了しているという。2023年4月以降、同システムの有効性の検証を継続していくとしている。
また、同実証実験の結果を踏まえ、球磨村内で対象とする分散型エネルギーを拡大(計25施設)し、周辺地域の地域脱炭素の取り組みをコンサルティングからシステム導入まで一貫して支援していく予定だという。将来的にはプラットフォームを通じて、小売電気事業者や卸電力市場などに売電する仕組みを開発する予定だと述べている。