京都大学と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、京都大学の医学研究科および医学部附属病院などにおけるデータ活用を促進するための医療データ&AIプラットフォームをGoogle Cloud上に構築した。
同取り組みは、2021年1月に京都大学が発表したグーグル・クラウド・ジャパンとのDXに関する協定を具現化するプロジェクトだという。
同プラットフォームでは、医療データを収集・保持するデータレイクおよびデータウェアハウスを、Google Cloudのサービス(BigQueryやCloud Composerなど)を用いて構築し、優れた拡張性とデータへのアクセシビリティの向上を実現。現在、京都大学の医学研究科や医学部附属病院向けのデータ提供に加え、臨床研究での活用も始まっているという。最近では、希少疾患診断率向上のための研究として医療データAIの検証を行ったとしている。
今後は、京都大学と日本IBMで収集データを拡充すると共に、画像データを含む京都大学の医療データに関するデータカタログの整備、グローバル標準の医療データ交換規約である HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)への対応、京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)でのデータ利活用基盤としての拡張などを通じて、データレイク・データウェアハウス利用の場を拡げていくという。
また、京都大学医学研究科附属医療DX教育研究センターにて、医療AIアプリケーションを研究者や学生同士で共創し、データレイク・データウェアハウスのデータを使って医学部附属病院などで試用するための環境の提供にも取り組み、研究・教育活動に貢献。
加えて、日本IBMとGoogle Cloudは今後、他の病院や企業・地域においても病院の医療データやPHR、個人の健康データを連携してデジタルサービスを提供できるような基盤としての展開に向けて計画していくと述べている。