ソフトバンク、ダイナミックマッププラットフォーム、ビーブリッジの3社は、デジタル庁から受託した「デジタルツイン構築に関する調査研究」の一環で、空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を、東京ポートシティ竹芝で実施した。
空間IDとは、3次元空間をボックス状に切り分けることで、空間情報の基準が異なる場合でも、一意に位置を特定できる規格のこと。同実証実験では、空間情報(ロボットの配送地点や建物内の情報)や地図情報などのデータを空間IDに紐付けることで、ソフトバンクが開発した配送実証向けの自律走行ロボットや、ビーブリッジが提供するARナビゲーションアプリといった、異なる企業のシステム間でデータを共有できたという。
この仕組みで共有されたデータを活用することで、地図の作成や位置情報の登録などの作業の効率化が可能に。例えばソフトバンクの場合、従来自律走行ロボット用の地図作成にかかっていた工数を、最大8割程度削減できると考えられ、ビーブリッジの場合、より効率よく正確なARナビゲーションを提供できるようになるとしている。
実証実験の概要は、以下のとおり。
内容
- 空間情報やロボット用の地図などを空間IDに紐付け:ソフトバンクが、ロボット用の地図を作成。ロボットの出発地・経由地・目的地や建物の情報などの空間情報や、作成した地図の情報を空間IDに紐付け、「地図・GIS基盤システム」に登録
- 空間IDを活用した自律走行ロボットによる配送:ソフトバンクが開発した自律走行ロボット「Cuboid」を活用。地図・GIS基盤システムを通して空間IDに紐付いた建物の情報を読み込むとともに、登録した出発地・経由地・目的地のデータを基にルートを設定して、物資の配送を実施
- 空間IDに紐付いたデータの共有:空間IDに紐付いた空間情報や地図の情報を、異なる企業のシステムでも活用できることを検証するため、地図・GIS基盤システムを通してビーブリッジにデータを共有
- 共有データを活用したARナビゲーションの実施:ビーブリッジが、地図・GIS基盤システムを通して共有されたデータを活用。ARナビゲーションアプリで建物内の目的地までのルートや店舗情報などを表示することで、人による配送のサポートを実施
各社の役割
- ダイナミックマッププラットフォーム:地図・GIS基盤システムの提供
- ソフトバンク:自律走行ロボットの提供と自律走行システムの運用、ロボット用の地図作成、空間情報やロボット用の地図情報の空間IDへの紐付け
- ビーブリッジ:ARナビゲーションアプリの開発、ARナビゲーション用の地図作成、ARナビゲーションに必要な情報の空間IDへの紐付け