EXを測定・改善する2種類の調査
EXの実態を捉える際、社内で検証すべき仮説があまり明確でなければ、幅広く網羅的なテーマをカバーする設問項目を設計し、結果から課題を理解する「問題発見型」調査が有効です。定期的に全従業員を対象とする「従業員エンゲージメント調査」や「従業員満足度調査」が問題発見型の調査にあたります。会社・組織、仕事、個人、職場などの視点で、うまくいっていること/うまくいっていないことを幅広くチェックするわけです。当初は認識されていなかった課題が、調査結果から浮かび上がることもあります。
問題発見型の調査結果から特定のテーマに問題が見つかれば、さらに追加的な調査の要否を検討します。課題を深く理解し、アクションの内容を検討するには、個別のテーマ(体験)にフォーカスした「仮説検証型」調査が有効です。たとえば、入社時や退職時の体験のほか、ダイバーシティ&インクルージョン、360度評価、IT環境、ストレスチェックなどのより具体的な調査が該当します。また、比較的短期間に調査を繰り返して、課題の状況やアクションの効果を定点観測するパルス調査の実施も有効です。各社・組織のニーズに沿って、「問題発見型」と「仮説検証型」調査を組み合わせることにより、タイムリーできめ細かい取り組みが実現します。