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DeNA、メルカリの経営企画が語る、PL管理とKPI管理の一元化──成長企業が実践するKPI管理

登壇者:DeNA 大谷駿明氏、メルカリ 荒山大輔氏、Scale Cloud 広瀬好伸氏

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 企業経営における経営層の意思決定に影響するような重要性をもつ「経営企画」。企業ごとに携わる部門や業務範囲が異なる点や業務の機密性の高さから、経営企画同士の横のつながりは比較的薄いといえるが、他社のノウハウを知りたい方は多い。そのようなニーズに応え、2023年7月5日に株式会社Scale Cloudが「経営企画カンファレンス2023」を開催した。今回は、パネルディスカッション「PL管理とKPI管理の一元化」の様子を紹介する。株式会社ディー・エヌ・エー グループエグゼクティブ 経営企画本部長の大谷駿明氏、株式会社メルカリ Group Corporate Planning Managerの荒山大輔氏が登壇し、モデレーターは株式会社Scale Cloud代表取締役の広瀬好伸が務めた。

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PLとKPIは経営企画で一元管理する

広瀬好伸(以下、広瀬):まずは経営企画の管理範囲から伺います。お二人はPLのみ管理しているのでしょうか。それともKPIも含めてモニタリングしているのでしょうか。

大谷駿明氏(以下、大谷):ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)では経営企画が経営層に対して示唆を出すことが求められているので、PLとKPIは一元管理しています。

荒山大輔氏(以下、荒山):メルカリもKPI管理への意識は強く、PLや予実も含めて把握しています。予算を作るときに、売上の向上にどういった要素が影響したのかを説明する必要があるので、KPI管理や施策の把握は重要です。

広瀬:共通認識として「PL管理とKPI管理は経営企画がやるべき」といえますね。では実際にどのようなKPIを管理しているのでしょうか。

荒山:メルカリでは、サービスプラットフォーム上での取引量が売上に直結するので、まずは売上増加のレバーとなる「取引数」と「平均単価」に分解して考えます。そして、どのKPIがよくなると、もしくは悪くなると売上や利益に影響するのか、主要なKPIとPLをつなげて説明できるように管理しています

 具体的なKPIを挙げると、MAU(月間の訪問ユーザー数)、MAUのCVR(コンバージョン率)などです。ユーザーあたりの出品数や購入頻度も基本的なKPIとしています。加えて、平均取引単価やLTV(顧客生涯価値)などを見ていますね。

大谷:DeNAもほとんど同じ考え方ですが、当社は「Pococha」などのライブストリーミングサービスやスマホゲームといったネットサービスが主なので、違うKPIを使っているかもしれません。

 基本となるのは「ユーザー数×顧客単価」で、UUとAU、UUとAUがどれくらい戻ってきているかというRR(継続率)。それからダウンロード数やCVRから割り出した顧客数と、顧客の課金額から算出した顧客単価、これらを掛け合わせたARPPU(課金ユーザーあたりの平均課金額)などを見ています。コストサイドでは、CPI(顧客獲得費用)や、LTVなど、違うメッシュでのKPIがいくつかあり、このようなベーシックなKPIを3階層ほどブレークダウンして管理しています

 一方、この掘り下げ以上に重要だと思うのが、サービスごとのユーザーの性質や特定イベントでの反応や、課金率などとの関連性を見ることです。これらを網羅的に確認できるよう、マクロに管理するようにしています。

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この記事の著者

金指 歩(カナサシ アユミ)

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