リクルートマネジメントソリューションズは、300名以上の企業で働く非IT職の正社員228名に対し、「非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査」を実施し、「取り組みのきっかけ」や「上司の働きかけ」など、調査結果から見える実態について公表した。
調査のポイントは以下のとおり。
学習をはじめたきっかけ、最多は製造で「現在の仕事に役立つから」、非製造で「経営層や上司からの要請があったから」(図表1)
「経営層や上司からの要請があったから」「昇給や昇進に役立つから」は、製造に比べ非製造で割合が高く、有意な差が見られた。
学習内容について最多は、製造で「Excelなどによるデータ管理、データ可視化」、非製造で「社会の変化とデータ・AI活用の意義」(図表2・3)
「Excelなどによるデータ管理、データ可視化」は製造が非製造に対して、逆に「社会の変化とデータ・AI活用の意義」は非製造が製造に対して、有意に選択率が高かった。
図表4では、具体的な学習内容とその理由について、代表的なものを抜粋。業種・職種の特徴を背景に、業務上の課題、経営層や上司からの要請、個人の興味関心に応じて、それぞれ異なる学習内容を選択していることが確認できる。
どのような機会を活用して学んだか。最多は、製造・非製造ともに「仕事として取り組んだ」、非製造では「勤務先が提供・費用負担する学習プログラム」が多い(図表5)
いずれの選択肢においても、製造・非製造の選択率に有意な差は見られなかったという。選択率に最も差が見られたのは、「勤務先が提供・費用補助する学習プログラム(全社員必修)」で、非製造が製造より高かった。
企業のリスキリング支援、上司のDXリーダーシップは、学習効果と関係が見られる。特に「上司のDXリーダーシップ」は、製造・非製造の両群において、学習効果に強い影響を与える(図表6、7)
図表6のとおり、企業のリスキリング支援と上司のDXリーダーシップは、学習効果と関係が見られた(学習効果は、「新しい知識やスキルを身につけられた」「今後の仕事に役立てられそうだと思った」など7項目6件法から構成(α=.90))。
学習効果の高群・低群別に見ると、「企業のリスキリング支援」では高群が2.74、低群が2.44、「上司のDXリーダーシップ」では高群が4.11、低群が3.48と、両者とも統計的に明確な差が見られた。
図表7は、「学習効果」を目的変数、「企業のリスキリング支援」と「上司のDXリーダーシップ」を説明変数として、「年齢」「役職」「本人のデジタル関心」を統制して行った重回帰分析の結果だという。「上司のDXリーダーシップ」は、製造、非製造いずれにおいても、学習効果に対し有意に影響することが示されたとしている。
「企業のリスキリング支援」は、非製造において、同じく学習効果に対し有意に影響することが示されたが、製造においては明確な影響は確認されなかった。
学習を進めるのに重要だと思うこと、最多は製造・非製造とも「学んだことがどのような課題解決に役立つかイメージできる」(図表8)
学習を進めるのに重要だと思うことについては、選択率には差が見られるものの、製造・非製造ともに「学んだことがどのような課題解決に役立つかイメージできる」が最も多く選択されている。