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「デジタルネイティブな組織」と「DX人材開発」がDXを成功に導く──変革に向けた組織戦略とは

Biz/Zine Day 2023 Summerレポート:株式会社STANDARD 吉原弘峰氏

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 2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を公表してから早5年。その間、各社がDXに挑戦してきているが、共通した課題も見えてきた。「その課題の多くは、DX人材育成と組織の構築で解決できる」と語るのが、株式会社STANDARDセールス&マーケティング本部 執行役員CMOの吉原弘峰氏だ。2023年7月5日に製造業関連企業を対象に行われたBiz/Zine Day 2023 Summerで、吉原氏はSTANDARDがDX人材育成、DX戦略コンサルティング、技術開発のワンストップソリューションをサービスとし、業界業種を問わず700社以上の企業のDX推進と内製化を支援する中で蓄積してきたナレッジを基に、DXを行うために必要な人材育成と組織変革について語った。その内容を紹介する。

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DXに取り組む企業が抱える共通の課題

「DX推進がなかなかうまく進まないと悩む企業さんは少なくありません。多くの企業が試行錯誤されていますが、課題の多くは共通しています。『DXの戦略がなく、何から手をつけていいかわからない』『DXが現場の業務改善にとどまり、X(トランスフォメーション)に至らない』『計画が絵に描いた餅になってしまっている』『DX人材の育成後、収益化までの道筋が見えない』『企画アイデアはあるが、それをどのように投資判断すればいいかわからない』といった課題です」

 吉原氏はそう指摘し、これらの解決のためにはDXに向く組織の構築と人材育成が必要だと説明する。

 これは、STANDARDが企業のDX推進を支援するだけでなく自社でも新規事業を立ち上げてきており、変革を起こすためにはアイデアの多産多死を覚悟して持続的に出し続ける組織にする必要があると実感しているからだ。

 200件のアイデアを出し、企画書に落とし込める有望なものはおよそ10件、企画書作成によって比較検討し、PoCへの投資判断ができるものがそのうち3件ほどで、PoCの結果本開発に至るものが1件、その期間はおよそ9ヵ月かかるというのが経験値である。

 また、これは1回実施するのではなく継続していかなければならない。では、アイデアを出し続けられる組織にするにはどうしたらいいのだろうか。吉原氏は「デジタルネイティブな組織にしていく必要がある」と語る。

 一般的にデジタルネイティブというと、スマートフォンやSNS等の新しいテクノロジーを当たり前のように使える世代のことを指す。一方、ビジネスにおける“デジタルネイティブ”とは、自社もしくは顧客の課題をデジタルという武器を使って当たり前のように解決できるような状態だ。では、「デジタルネイティブな組織」にするためには、組織の形はどのように変わればいいのだろうか。吉原氏は、下図を用いて解説する。

クリックすると拡大します

 従来型の組織では、DX推進役は以下の3つに大別される。

  1. 経営直下にDX推進部として持つ場合
  2. 各事業部にDX推進機能を持たせる場合
  3. 事業部と並列でDX推進部を作る場合

 1つ目の場合は、経営の意向が反映されやすいメリットがあるものの、事業部とは別部署になるため、事業部の巻き込みが難しくなる。2つ目は、各事業部で実装しながらDXを進めることはできるが、全体をマネジメントする機能がないため、様々なプロジェクトが乱立してしまい、コントロールしにくくなったり、経営の意向が伝わりにくかったりする。3つ目の場合は、プロジェクトが進みやすいというメリットがあるものの、事業部とは離れてしまって壁ができる上に経営の意向も届きにくいという難点がある。

 それらのメリット・デメリットを踏まえて最近トレンドになっているのが、1つ目と2つ目のハイブリッド型である「デジタルネイティブな組織」だ。経営直下でDX推進を専門に行う部署を持つとともに、各事業部に対してもDX推進の機能を持たせるものである。実際のプロジェクトは各事業部が行い、経営直下のDX推進部はDX戦略の立案や、各事業部のプロジェクトマネジメント、社内の啓蒙活動など、全体の旗振り役を行う。

 デジタルネイティブな組織を実現するためには、ただ組織図を変えるだけでは難しい。そこで考えなければいけないのが「DX人材育成」だと吉原氏は話す。DX人材はスキルだけでなく、マインドセットがなければ行動に移せないからだ。

次のページ
DX人材育成の課題と打ち手

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社STANDARD

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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