オラクルとMastercardは、企業間(B2B)決済取引をエンドツーエンドで自動化するための新しいパートナーシップを発表した。
このパートナーシップにより、オラクルは「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning(ERP)」を銀行と直接接続することで、顧客企業がB2Bの財務および決済プロセス全体を効率化および自動化できるようになるとしている。
多くの企業が、よりシンプルな商用支払処理を望んでいるものの、エコシステム全体でデータ、システム、プロセスがバラバラであるため、企業とそのサプライヤーが効率的に取引を行うことができない課題があるという。
オラクルは、こうした課題に対処すべくMastercardのバーチャルカード・プラットフォームを活用。これにより、オラクルの法人顧客のエンドツーエンド(E2E)の金融取引が迅速化されるとともに、銀行が「Oracle Cloud ERP」内で付加価値の高いサービスを提供できるようになると述べている。
Mastercardのバーチャルカード技術を組み込むことで、数ヵ月にわたる実装作業が不要になるほか、カード・プログラムの設定や構成にかかる手間、技術的な複雑さを軽減することが可能だという。その結果、Oracle Cloud ERPとMastercardの顧客は、次のようなメリットを得ることができるとしている。
- サプライヤーへの請求書支払いのためのバーチャルカード:Oracle Cloud ERPで、カードを使用できるサプライヤーを特定し、バーチャルカードの生成と支払いを自動化し、銀行の勘定照合のプロセスを効率化。エンドツーエンドの支払い処理には、サプライヤーの銀行口座への自動直接振込と、サプライヤーのための送金結果の照合業務の効率化が含まれる
- 企業購買のためのバーチャルカード:企業が従来の支払い方法をバーチャルカードに置き換えることで、不正防止を強化。また、調達チームは、従業員によるバーチャルカードのリクエストを一元管理し、オンデマンドでビジネス購入をサポートすることが可能
MastercardのバーチャルカードがOracle Cloud ERPに組み込まれると、ユーザーはMastercardの主要なグローバル決済ネットワークを通じて、サプライヤーに迅速かつ安全に支払いを行えるようになるとしている。
また、簡単に自分の銀行のサービスを活用できるように設定でき、キャッシュフローを管理し、不正防止を強化し、プログラムのインセンティブを受け取ることができると述べている。加えてサプライヤーは、迅速な支払い、回収リスクの低減、売掛金の効率化といったメリットを享受できるという。