INPEX、インドネシア国営石油会社プルタミナの子会社で天然ガス供給事業を手掛けるPT Perusahaan Gas Negara(以下、PGN)、日揮ホールディングス(以下、日揮HD)、大阪ガスの4社は、インドネシアにおけるパームオイルの搾油工程で生じる廃液(以下、POME)由来のバイオメタン活用の事業化に向けた詳細検討を開始する。
これまで、プルタミナ、日揮HD、大阪ガスおよびINPEXの4社はPOME由来のバイオメタン活用に向けた共同調査を進めてきたが、今回、PGNが保有する天然ガス導管の利用が決定し、パーム農園との原料調達に係る覚書の締結や需要家からの関心表明を得たことから、詳細検討の開始に至った。同検討においては、2025年のスマトラ島南部でのバイオメタン製造開始を目指し、サプライチェーン構築やバイオメタン製造・供給に関する技術的な検討を行うという。
同事業では、現状POMEから大気放散されているメタンガスを回収したうえでバイオメタンとして精製し、天然ガス導管など既存インフラを利用してインドネシア国内の需要家に供給。これによりメタンガスの大気放散を抑制し、同国で増加する天然ガス需要に応えるとともに、化石燃料からバイオメタンへの燃料転換による需要家のCO2排出量の削減を目標とするとしている。
将来的には、スマトラ島全域、カリマンタン島へと事業規模を拡大しながら、バイオメタンを液化したバイオLNGを船舶燃料として供給する事業やバイオLNGを日本などに輸出する事業の可能性についても検討予定だという。