武田薬品工業（以下、武田薬品）、三菱倉庫、日本貨物鉄道（JR貨物）は、CO2排出削減を目指し、武田薬品の国内特約店向け医療用医薬品輸送の一部をトラックから鉄道へ切り替えるモーダルシフトの取り組みを開始する。

　3社は、国内の鉄道輸送による医療用医薬品配送の可能性について各種検証を実施。その結果、温度管理可能な鉄道コンテナを用い、各種セキュリティ対策などを施すことで、医療用医薬品の品質を適正に管理しながら医薬品の適正流通ガイドラインに準拠した輸送が実現できるものと判断し、10月より一部の輸送を鉄道へ切り替えることにしたという。

　具体的には、鉄道輸送にかかる許可取得後、東京から北東北地区への幹線輸送部分を鉄道へ切り替え、その前後の輸送のみをトラック輸送する。これにより、当該輸送におけるCO2排出量を現行比約60％減となる削減効果を見込んでいるという。加えて、長距離トラック輸送の軽減により、物流の2024年問題への対応にも貢献。今後は、順次鉄道輸送のエリアや対象特約店を拡大していく予定だとしている。

　なお、同輸送についても2022年1月より運用しているデータプラットフォーム「ML Chain」を利用し、温度情報・位置情報を可視化するという。