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デザイン思考は多様性を持つ組織の「共通言語」

第8回

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デザイン思考は「人間中心の統合的思考法」

 デザイン思考は、分析的思考と直観的思考を意図的に活用し、両者を往復しながら価値を生みだすプロセスである。このような統合的な手法が注目を浴びた背景の1つに、「ロジカルシンキングだけの限界」がある。もともと哲学の流れを組む論理学のように、論理的に物事を考えることが欧米では特に重視されていた。ビジネスの世界でも同様であり、MBAのような事実をもとにした戦略構築も盛んといえる。

両者を行き来するデザイン思考図1:両者を行き来するデザイン思考
(Martin, 2009を一部編集)

 たとえば、まとまった市場のデータによって市場をセグメント化できれば、「何に特化すべきか」を導き出せるかもしれない。しかし、これから新しい市場を作ろうとしている場合にはどうだろう。市場を分析しようにもライバルがいない。いや、そもそもユーザーすらいないのだ。市場がないため分析という行為自体が意味を持たない。新たな市場を生みだすイノベーションを起こすには、静的なデータではなく常に動的な人間そのものに焦点を当てる必要がある。

 デザイン思考を世に広めたのは、Appleの初代マウスも手がけたことのあるアメリカのデザイン・ファームIDEOだが、CEOのティム・ブラウンも「人間中心のデザインに基づいたイノベーション活動」がデザイン思考であるとしている。その目的は、デザイナーの発想法やツールを誰でも使えるようにすることで、幅広い問題解決を可能にすることにある。

 問題解決のためには「データを超えた発想(直観的思考)」が必要な場合もあれば、「誤った直観を事実に基づき修正(分析的思考)」することが必要な場合もある。いずれにせよ、基点は常に人間でなければならない。デザイン思考は人間中心のプロセスだ。具体的にその中身を見ていこう。

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IDEO、スタンフォードのプロセスに共通する点

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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