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デザイン思考は多様性を持つ組織の「共通言語」

第8回

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IDEO、スタンフォードのプロセスに共通する点

 デザイン思考のプロセスには、「必ず◯段階の過程を経なければいけない」といった絶対的な基準は存在しない。IDEOにしても、ジェネラルマネージャーが執筆した書籍『発想する会社!』で紹介されているプロセスと、非営利活動に特化しているIDEO.orgでは紹介されるプロセスがやや異なっている。

 書籍では6つに分けられている。

  1. 制約条件などを把握する「理解」
  2. ユーザーの行動を捉える「観察」
  3. アイデアを生みだす「ブレインストーミング」
  4. アイデアを視覚化させる「ラピッド・プロトタイピング」
  5. 複数のプロトタイプを改良する「ブラッシュアップ」
  6. 市場へアイデアを届ける「実現」

スタンフォード式 デザイン思考のプロセス図3:スタンフォード式 デザイン思考のプロセス
(K-12 labより引用・編集)

 一方のIDEO.orgでは7つだ。

  1. ユーザーの行動を捉える「観察」
  2. ユーザーを動的に理解する「ストーリー」構築
  3. ユーザーの情報を元に行う「テーマ」設定
  4. 価値創造のチャンスを見出す「機会」発見
  5. アイデアを固めていく「解決策」考案
  6. アイデアを可視化させる「プロトタイプ」
  7. 実現に必要な能力を評価・確認する「実行プラン」作成
発散と収束を繰り返す図3:発散と収束を繰り返す
(K-12 labより引用・編集)

 また、IDEOがデザイン思考を実践する組織なら、スタンフォード大学d.schoolはデザイン思考を教える組織であり、5つのプロセスが提示されている。

  1. ユーザーに寄り添う「共感」
  2. インサイトを抽出する「問題定義」
  3. コンセプトを生みだす「創造」
  4. コンセプトを形にする「プロトタイプ」
  5. プロトタイプを使ってフィードバックを得る「テスト」

 3つのプロセスをそれぞれ細かく見ていくと、共通点が浮かび上がる。それは、分析的思考に代表される「収束のためのフェーズ」と、直観的思考に代表される「発散のフェーズ」が交互に位置づけられている点にある。では、このことがどんな意味をもたらすのだろうか? 2つの思考法における正反対の特徴を、スムーズに融合しているのがデザイン思考のプロセスだ。

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多様性を持つチームの“共通言語”としてのデザイン思考

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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