アトラシアンは2026年4月8日、プロジェクト管理ツールJira内で利用できるAIエージェント「Rovo Dev」の一般提供開始を発表した。これによりソフトウェア開発チームは、計画立案からコード変更、テスト、プルリクエスト(PR)の作成・レビューまでの全工程を、Jira中心のワークフローに集約できるようになる。
Rovo Devはプロジェクトの背景、要件、ドキュメント、チケット、コードの履歴など多様なコンテキストを総合的に認識するAIエージェントである。Atlassian Teamwork Graphを基盤に、Jira、Confluence、Bitbucket、Jira Service Managementなどアトラシアン各種サービスとの連携によりチーム単位での開発作業を一元的に管理・実行できる。
今回のJira対応では、Jiraのワークアイテムごとに、AIが具体的な実行プランを自動生成し、承認後はクラウドサンドボックスでコードの修正とテストを安全に実施。最終的にはレビュー可能なPRとして作業成果がJiraワークアイテムに紐付けられる。開発担当者はIDE(統合開発環境)や別のリポジトリ管理ツールへ移動せず、Jira上で一連のフローを完結できる点が特長だ。これにより、従来発生していたツール間のコンテキストスイッチ頻度を抑え、生産性の向上が期待できる。
また、作業プロセスの計画から成果までがJiraワークアイテムとひもづいて可視化されるため、プロダクトマネージャーやデザイナーといった非エンジニア職種のメンバーも、なじみのある画面上でAIが実施した変更や進捗を容易に把握できる。
複数ワークアイテムに対してRovo Devの並行セッションを起動し、バグ修正やテスト追加など複数のタスクをAI自動化によって迅速に処理できる機能も備える。Jiraの自動化機能と連携し、「特定タイプのワークアイテム作成時にRovo Devを自動起動」といった運用も可能となる。
ガバナンス面においては、処理対象のリポジトリを安全なクラウドサンドボックス環境へ複製し、その中でコード編集・テスト・検証を実行。実行権限もJiraセッションを開始した担当者の権限に制限される上、完成したPRは必ず人のレビュー・承認を経てマージされる設計とし、品質・セキュリティ・コンプライアンスの統制も意識されている。
Rovo Devの利用料金は、開発者1名あたり月額2,730円(毎月2,000クレジット付き)。詳しい機能や詳細情報は公式ウェブサイトで公開されている。
アトラシアンは、AIを活用した開発の現場導入が進む中、Jiraを起点とする開発ワークフローへのAI統合により、「開発プロセス全体をチームで可視化・制御しやすい形」で提供する姿勢を明確にした。これにより企業の経営企画部門や新規事業責任者は、現実的かつ安全にAIをソフトウェア開発へ組み込む選択肢が拡がるだろう。
