新規事業開発における「成功グループ・非成功グループ」、それぞれの共通点とは
新規事業開発に「成功している」と実感している企業には、何か共通点があるのではないだろうか。bridgeが描く仮説のもと、2024年1月に「新規事業が生まれる組織づくり」をテーマに、「新規事業開発担当者300名に対するインターネット調査[1]」を実施しました。
本稿の執筆にあたり、今回は「新規事業が重要」×「成功している」と回答した企業を成功グループと定義し、それ以外を非成功グループと位置づけた上で共通点や差異を分析・考察しました。内容整理の際に基準として用いたのは、前回の記事でもお伝えした「プロセスの自走化」「組織の自走化」を見極めるために使用した判断指標「10の観点」です。
新規事業開発が成功する、プロセスの自走化に関する「調査結果と傾向」
まずは「プロセスの自走化」の視点から調査結果を分析すると、成功グループでは73%が「組織内外にある専門性やスキルも調達できる」と回答していることがわかりました。関連するところでは、成功グループの69%で「新規事業に関わる社内の経験・知見を共有している」との回答も見られました。
2つの結果から読み取れるのは、成功グループの多くは新規事業開発における経験や知見をナレッジとして組織内に蓄積しており、誰もがそこにアクセスできるような仕組みを持っているということです。また、必要となる専門性やスキルが社内に見当たらない場合には、組織の外からも調達できる環境にあることもわかります。
これらが意味するのは、個人のスキルや経験、モチベーションに依存することなく新規事業を立ち上げられるシステムがあるのか否か、ということ。社内提案制度を1つとっても、1年目はやる気もスキルもあるメンバーが手をあげて参加するものの、2年目、3年目にはマンネリ化も手伝って先細りになってしまう可能性があるわけです。
しかし、事業の立ち上げや推進を「個人」に依存させるのではなく、「アイデア」を軸にしてチームを作り、組織側からもフォローすることで事業が育つ環境を作れたらどうでしょうか。経験やスキルに自信がなくても挑戦して良いと思える。そんな文化が成功グループでは徐々に形成されていく可能性が高まります。
[1]調査対象:全国の新規事業開発実施企業の正社員20〜64歳男女。うち、従業員規模300名以上の組織の新規事業開発担当者