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不動産ビッグデータを用いたオープンイノベーション──LIFULLが企業を越えて目指す社会課題の解決

Biz/Zine Day 2024 Winter レポート:株式会社LIFULL 内田亮介氏

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不動産ビッグデータを活用した「EC不正注文の防止」

 LIFULLは不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」に蓄積された不動産ビッグデータを保有している。概ね15年分の建物情報、物件種別、間取り、物件名称、設備、空室情報、周辺環境、所在地、価格を整理したものだ。LIFULLでは「LIFULL HOME’S不動産データソリューション」として、これを有効活用して様々な社会課題解決のための取り組みを始めている。

 その1つがECサイトでの不正注文の防止だ。コロナ禍を経て、ネット取引量は大幅に増加した。その増加にともなって不正利用被害額も大幅に伸び、2022年にはEC事業者の実に36.4%がクレジットカード不正利用の被害に遭うという状況になっている。個人間取引のプラットフォームの躍進もあって、低単価のものでも組織的な犯罪のターゲットになりうるのも特徴だ。

 こういった不正注文には、海外転送サービスを悪用したり、購入情報を部分的に変えブラックリストを回避したりと様々な手口があるが、LIFULLが対策に乗り出したのは、不正利用者がECサイトに届け先として集合住宅等の空室等を指定する手口についてである。不正利用者は配達時間を指定してタイミングよくその空き家に不正侵入し、注文した商品を受け取ってしまう。時には住人を装って玄関前で荷物を受け取るケースもある。このような悪質な手口をEC事業者が注文情報から見抜くのはまず不可能だ。

 LIFULLは多くの不動産の空室情報を持っており、ECサイトで指定された住所とLIFULLの持つ空室情報を照合することで、不正を推測することができる。ネット通販における安全なインフラ作りに貢献するかっこ株式会社、請求業務をオートメーション化させる未回収リスク保証の後払い決済サービスを提供している株式会社ネットプロテクションズと協業し、ECサイトで空室を住所に指定した注文を不正だと検知するサービスを開発した。

 出荷前に住所が空き室であると判断できれば、不正購入者への発送防止が可能となり、転売等による市場価格崩れの防止や、未払いを未然に防ぐことにもつながるのだ。

株式会社LIFULL 内田亮介氏
株式会社LIFULL 内田亮介氏

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不動産ビッグデータを活用した「空き家対策支援」

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社LIFULL

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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