楽天グループ(以下、楽天)とOpenAIは、戦略的協業を通じて通信業界向けのAIツールを共同開発し、今後提供を行うと発表した。楽天のOpen RANとOpenAIのAI技術に関する知見を組み合わせることで、通信業界に特化したAIソリューションの開発を目指すという。
両社はモバイルネットワークの計画や、構築・管理を行う際に生じる通信事業者固有のニーズと課題に対処するAIツールを開発。現在展開しているAIプラットフォーム「Rakuten AI」を、カスタマーサービス、ネットワーク最適化、および不具合を事前に察知し、故障を防ぐ予知保全に関するソリューションを含むプラットフォームへと進化させると述べている。
これにより、通信事業者がネットワーク上の問題をリアルタイムに近い形で検出して解決する機能が強化されるほか、サービスへの信頼性とパフォーマンスを向上させながら応答性の高いネットワーク運用を可能にするとしている。
楽天のCDOであるティン・ツァイ氏は、次のようにコメントしている。
「通信業界は、テクノロジーの進化に適応できるか取り残されるかの大きな転換点を迎えています。Open RANはソフトウェアをハードウェアから切り離し、クラウド上でデータによりアクセスしやすくすることで、大規模なAIアプリケーションによる運用に最適な環境を作り出します。今回のOpenAIとの協業により通信業界に変革をもたらし、消費者や企業等に新たな価値を提供していくことを楽しみにしています」
楽天グループにおいて通信事業を担う楽天モバイルと、その子会社である楽天シンフォニーは、これまでに楽天モバイルを通じて培った新技術導入の知見を生かし、通信業界における実際の課題を反映する具体的なシナリオと事例を提供していくと述べている。