生成AI時代におけるデザインの可能性
ビジネスにおける思考様式や経営手法としても、活用が進むデザイン。しかし、時代が変化する中で、デザインの価値や役割は常に問われ続けている。
たとえば、「アート思考」「アート経営」といった概念の誕生も、変化の1つだといえよう。永井氏はアート思考を、「デザイン思考の批判として生まれたもの」だと認めた上で、「相容れない概念ではない」と語る。そもそも、デザイン思考に対する批判が起こったのは、「ユーザー起点」の枠組みが、本質的に理解されないまま安易に使われるようになった結果に過ぎない。また、デザイナーはアート思考が標榜するような「自分の内発性を起点とする」視点も元来持ち合わせているため、矛盾しないというのだ。