チームで共通認識を得る「合成キャラクター」の作成
共感マップを参考にしながら、インサイトを推測する方法も可能ではあるが、チームで行う場合はうまくいかない場合が多い。なぜなら、共感マップはユーザーの情報を分類しただけであるため、「どんな特徴を持ったユーザーなのか?」について解釈が個人で異なってしまう。共通認識がずれているままインサイトを掘り下げようとしても、その後の議論がかみ合わない。
もしくは、議論は進んでいたが、「新事業と関係がないユーザーの特徴」に焦点があたったまま話が進んでしまうケースもある。
このような混乱を避けるうえでおすすめなのが、共感マップを作成した後にキャラクターづくりを行う方法だ。現場で得られた知見がうまく統合されたキャラクターを描くことで、本来の目的と関連した意味あるユーザーの特徴が浮かび上がり、ユーザー像をスムーズにチームで共有できる。
以下の手順で作成しよう。
- 共感マップを参考にしながら、ユーザーの特徴をリストアップする(典型的な発言、普段の行動で顕著なものなど)
- 現場調査の前にチームで設定したデザイン課題と照らし合わせ、関係が深い特徴を順に選ぶ
- 名前や年齢、家族構成なども想定した上で1人のキャラクターを作成
キャラクターづくりが終わったら、再度チームメンバーで書きだした特徴を確認し、全員が納得していることを確認しよう。このワークを通じて「どんな人のために私たちは価値を提供しようとしているのか」を明確な形で共有することができる。
共有が終わったら、次は「インサイトを含めた着眼点」を明らかにしていく。