未来の顧客の“いざ”のためにオウンドメディアができること
福﨑:そんな初期の構想が固まった頃、ADDIXさんからキャンプの記録をテキストや写真で残して振り返りができるような機能を提案いただき、最終的なサービスの形が決まっていきました。
──ADDIXさんは、それをどのように発想したんですか?
飯田:発想の段階で2つのことを重視していました。まずは「定期的な顧客接点」につなげられるかどうか。そしてもうひとつは「ユーザーがユーザーを呼ぶ」ということです。この2つをキラーコンテンツの定義として固め、「キャンプ計画・共有」を軸にしていくということが決まりました。そのうえで、社内でキャンプに詳しい人間にインタビューしたんです。うちは趣味でキャンプをやっている者もいますし、アウトドアのメディアを制作している者もいますから。
それで分かったのが、すでにキャンプをやり尽くしてきた人と、初心者で何から手を付けたらよいかわからない人と、レベルによってニーズもかなり異なるということです。そのため、レベルに合った計画をそのまま真似して自分の計画にできるという一連の流れを考えていきました。その上で、より使ってもらうための仕掛けとして、記録を残しシェアするという機能を考えたんです。
そこからは社内のコピーライターも交え、ログとアルバムをかけ合わせた「Logbum」というネーミングを考えるなど、サービスを尖らせていきました。
福﨑:この提案をもらったときのことは、鮮明に覚えています。確かに計画の機能だけだとなかなか使ってもらうのが難しそうですが、振り返りができるとなるとすごく良さそうだと感じました。そうやって徐々に内容が具体化していき、一緒に作り上げているという感じがすごくありました。
佐藤:ADDIXさんとは、一緒にアウトドアショーに行ったりもしましたよね。常に私たちに寄り添って提案をしてくれるという姿勢が感じられました。
──何を作るかから一緒に考えていくという支援の形は、ADDIXさんではよくあることですか?
久保倉:お客様に「こういうものを作りたい」という明確なゴールがあって、そこに向かって何をするかを検討するパターンの方が多かったですね。でも今回は、課題を共有していただくところから始まって、一緒に作りあげていくことができたプロジェクトだったと思います。
──オウンドメディアゆえの難しさもあったのでは?
佐藤:これがどうやったら保険につながるのかは、常に課題です。とはいえ、保険というのはこちらがいくらお勧めしてもすぐに売れるものではありません。逆に、自動車を買う、家を買うといったタイミングには自然と検討してもらえる商品です。その時に至るまで長く接点を維持したいんですよね。そのために、私たちのオウンドメディアはお客様が自分から使いたいと思い、使い続けてくれるようなものであるべきだと思うんです。
久保倉:確かにすぐに売上に結びつくものではないのですが、続けていくには「何のための」を明確にしなければいけませんね。例えばブランド力の向上も効果のひとつです。まずはアウトドアやキャンプという領域で損保ジャパンとしての旗印を立てることができればと考えています。
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