コーヒーの価値の再定義につながったパートナーシップ
2つ目の事例として紹介されたのは「3 Coffee a Day」というキャンペーンで、これも偶然のきっかけから大きく展開していったプロジェクトだった。
すでに日本のマーケットでトップシェアを誇る「ネスカフェ」をさらに伸ばすにはどうすればよいのか。他のブランドとシェアを争うようなことをしても顧客は振り向いてくれない。そもそも顧客にとっての「ネスカフェ」の価値はどこにあるのか。当時、マーケッターとしてそんなことを考え続けていた島川氏がふと手に取ったのが、予防医学研究者の石川善樹氏の本だった。人とのつながりとウェルビーイングとの関係について論じており、ちょっと立ち読みのつもりが内容に引き込まれて最後まで読み、巻末の謝辞にたまたま知人の名前があるのに気付いた。