AIと5Gが支える未来のモビリティプラットフォーム
相澤氏は、モビリティの進化について「まずは閉域から始まるべき」とし、ロボットやモノがいきなり外に出るのは危険であるため、まずは工場や倉庫、オフィスやマンションといった閉鎖的な空間での導入が必要だと語った。こうして培われた技術がやがて外部に拡張され、5Gの力が発揮されることになると述べた。実際、Wi-Fiがカバーしきれない移動時の通信を5Gが支えているように、モノやロボットが外に出る際に5Gの重要性が増す。
KDDIは、24時間365日の監視と運用を可能にする体制を整え、ロボットの外部展開を支えていく。これは、通信キャリアとして長年培ってきた運用ノウハウをもとにしたものであり、KDDIならではの強みだといえる。さらに、AIを活用した「AI Enabled モビリティプラットフォーム」についても説明がなされた。サテライトグロース戦略の中心には5GとAIがあり、これをモビリティに適用することで、移動手段を超えた価値を提供することが可能になる。
相澤氏はSDVの重要性を改めて強調。相澤氏は「車もスマホのアプリのように、頻繁に更新される時代が来る」と述べ、車が新しい機能を持ち続けることで、ユーザー体験が向上するとしている。
また、車内のインフォテイメントの進化についても言及。自動運転が進み、車が「動くリビングルーム」としての役割を担うようになることで、車内でのビデオ視聴やカラオケ、マッサージ機能など、従来の移動手段にはなかった新しい体験が可能になる。
最後に、自動運転のアルゴリズムについて、相澤氏は「自律型のアルゴリズムで車が自己判断し、行動する時代が来ている」と述べた。車がカメラやセンサーで情報を取得し、それをもとに道を選び、アクセルやハンドルを操作する。これは既に実現している技術であり、AI、特に生成AIのアルゴリズムが欠かせない。
相澤氏は「車はロボットの一部であり、車で培ったアルゴリズムは、今後ロボットに展開される」と述べ、ロボットがモビリティの一部として進化していくことを強調した。
KDDIは、これまでの通信キャリアとしての経験を活かし、顧客の経営課題に寄り添いながら、モビリティ社会の発展に貢献していく考えだ。相澤氏は「KDDIは、お客様と共に進化し、新しい価値を提供し続けることを目指している」と述べ、今後もKDDIの技術を社会全体のインフラとして活用していく意欲を示した。