KPMGコンサルティングは、企業の成長戦略策定において、産業・市場の長期的な構造変化であるマクロ潮流の分析を通じ、参入すべき事業機会の特定から指針策定までを体系的に支援するサービスの提供を開始した。
同社では、さまざまな支援事例を通じて培ったノウハウや知見をもとに、長大なマクロ潮流を起点に有望な市場・事業機会の絞り込みを段階的に行い、客観的な根拠と蓋然性の高い見立てに基づく分析的なアプローチを体系的に行うことで取り組むべき課題を定量的に整理し、より実効性の高い戦略策定の実現に向けた支援を行うという。
サービスの主な特徴
- 全社成長戦略、事業戦略における取り組みの位置づけや趣旨をあらかじめ定義し、活動憲章として明文化
- 長期かつ多岐にわたるマクロ潮流を定量・定性の両面から綿密に分析し、統合的な解釈を加えることで、客観的かつ蓋然性の高いシナリオ策定と産業・市場構造の把握を実施
- 将来展望の一般的な取りまとめに終わらせず、市場における有望な参入ポジション候補の特定、参入方法の仮説立案まで伴走支援
実施ステップ
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活動憲章の策定:取り組みの戦略的な位置づけの定義
- 社内で同床異夢になることを回避し、取り組みの成果が確実に企業の成長戦略に取り入れられるようにするため、あらかじめ「分析の成果を誰が何に用いるのか」「その手段としてどのようなアプローチを念頭に置くか」「分析の対象年をどこに置くか」を明文化し、実施メンバーや関連部門と合意
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マクロ潮流の抽出:統合的な変化シナリオ、将来像の策定
- モビリティ・エネルギー・インフラ・ハイテクなど企業が着眼する分野ごとに、対象年までの変化のシナリオ、内包する産業や市場の構造を描く。「公知」の情報とともに、近接する分野からの「推論」や変化ドライバーの行間を埋める「仮定」を加味して統合的な将来像を描き、重要な変曲点やそこから導かれる事業機会を抽出
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産業変化分析(定性・定量):現実的な市場推計と洞察による有望領域の一次選定
- マクロ潮流を踏まえ、参入または深耕を検討すべき産業や市場を選定するため、より詳細な調査を実施。さまざまな角度から将来の産業で「なぜ・何が」起こるのか、この環境変化が自社にもたらす影響は何かを分析。合わせて、マクロの成長・変化シナリオと照らし合わせながら、内包する市場ごとに現実的な市場規模や成長率を推計し、事業との親和性を見極めて次の工程へ進める領域を選定
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市場変化分析(定性・定量):製品・技術レベルの細分化による参入機会の二次選定
- 前工程で選定された市場を対象に、さらに解像度を高めた調査・分析を行い、具体的な参入機会の候補を探索。また、参入プレイヤーや具体的なプロダクト、採用技術なども併せて調査。これらの調査に基づき、市場内の主要製品・方式ごとの市場規模などを推計し、参入機会の有望性と蓋然性を検証
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事業機会の示唆導出:勝ち筋のある参入ポジション、参入方法の導出
- これまでの成果を集約し、重複する製品・技術や課題をグループ化することで、複数の産業・市場にまたがる事業展開を視野に入れた参入機会リストを整備。合わせて、各市場への参入KSF(または市場の勃興・確立に要求されるキードライバー)を洞察し、自社との適合性を見極めることで、自社ならではの勝ち筋を備える参入ポジション、参入方法の仮説を導出
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