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「私がやるしかない」。原体験から社内起業に突き進んだポーラ・オルビス発・encyclo水田さんの挑戦

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 企業の中で新規事業の開発・グロースを担う女性リーダーにスポットを当てる本連載。ホストを務めるのは、サイバーエージェントやcybozu.netなどで数々の事業を立ち上げてきた椿奈緒子さんです。「新規事業はキャリアアップの近道」と語る椿さんが、ゲストのキャリアや事業開発プロセスを深掘り。まだまだ多いとは言えないイントラプレーヌ(女性イントラプレナーの意)のロールモデルを紹介します。今回のゲストは、encyclo 代表取締役社長の水田悠子さんです。

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自身の病気からの課題発見。「私がやるしかない」から始まった当事者発の新規事業

椿:本日はよろしくお願いします。まずは、現在どのような事業をされているのか、そしてこれまでのキャリアについて教えてください。

水田:よろしくお願いします。ポーラ・オルビスグループの新規事業として立ち上げたencycloで、「MAEÉ(マエエ)」という着圧ソックスのブランドを展開しています。普通のソックスに見えて、使うと体と心を元気にしてくれるプロダクトです。私自身は新卒でポーラに入社し、10年以上商品企画を担当しました。その後、オルビスに出向して商品企画のマネージャーを務めるなど、キャリアのほとんどが「ものづくり」でした。

株式会社encyclo 代表取締役社長 水田 悠子さん
encyclo 代表取締役社長 水田悠子さん

椿:そこから社内起業に至ったきっかけは何だったのでしょうか。

水田:実は起業志向はまったくなく、会社での仕事も大好きだったんです。きっかけは、自分が病気(リンパ浮腫)を経験したことでした。この病気によって足がむくんでしまうため、一生医療用の着圧ストッキングを履かなければならなくなってしまいました。

 発症から8年ほど経っても、医療用の着圧ストッキングは分厚くて不自然な色のものしかなく、「なぜ世の中はこんな風になっているんだろう」と疑問に思っていました。そしてそれを誰も解決してくれない。「もしかしてこれに気づいている人は他にいないのではないか」「自分がやるしかないのではないか」と思うようになったのが原点です。

椿:私がやらなきゃ誰がやる、ということですね。考える人はいても、実行に移す人はほんの一握りです。

水田:そうですね。それで2019年に社内ベンチャー制度があり、A4用紙1枚で応募できるというハードルの低さもあって、あっこさん(encyclo 共同創業者 齋藤明子さん)と2人で応募したのが始まりです。

2度のリジェクトから逆転承認へ。経営陣の心を動かした「現物」と熱量

椿:A4用紙1枚から、どのように事業化まで進んだのですか?

水田:最初は書類審査を通過し、ピッチコンテストを経て2案に絞られました。そこですっかり事業化されると勘違いしたのですが、実際にはそこから厳しい「事業化審議」が待ち受けていました。本業の傍ら準備を進め、プロトタイプを作ったりインタビューをしたりしたのですが、審議では2回連続でリジェクトされてしまったんです。

椿:そのときの評価ポイント、あるいはダメだった理由は何だったのでしょうか。

水田:パーソナルな想いから出発した事業なのに、PL(損益計算書)を書いたりマネタイズを説明したりするうちに、「誰に何をしたいのか」が薄まってしまっていたんです。「次がダメなら白紙」という最後のチャンスで、私は開き直りました。自分が課題に気づくきっかけとなった、分厚く不自然な色の医療用ストッキングの現物を役員たちの前に持ち込みました。

椿:視覚の力は強いですよね。役員の方々に現物を見せて、どう伝えたのでしょうか。

水田:「私は女性が毎日身につけるものを、1円のコストカットにこだわりながら価値を高める仕事をしてきた。なのに、自分が一生履かなければならないものがこれなんです。そして、世の中にはこれしか選択肢がない人たちがいるんです」と、原点に返って話をしました。PLも関係ないような熱弁でしたが、結果的に「そこまで言うならやってみたら」と承認をいただくことができました。

椿:水田さんの本気と、プロダクト企画者としての矜持が経営陣の心を動かしたのですね。

メンタリング 代表取締役 椿 奈緒子さん
メンタリング 代表取締役 椿 奈緒子さん

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「いいものができた」だけでは売れない。当事者発プロダクトが陥った“個人商店”のリアル

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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