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越境者-振り子の思考のイノベーター

問いと答えのあいだを行き来し、「越境」する

takram design engineering 渡邉 康太郎 氏インタビュー:前編

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 デザインエンジニアのほか、建築家やグラフィックデザイナー、サービスデザイナーなどの多様なメンバーが集うクリエイティブ・イノベーション・ファームtakram design engineering。普段から、ハードウェアからソフトウェア、サービス、ブランディングなど、領域を越えてさまざま企業のプロジェクトに取り組み、新しい価値を提案している。takramのなかで、クリエイティブディレクター / デザインエンジニアとして活動する渡邉氏に、デザインとエンジニアリングの間を振り子のように行き来するその思考や、領域を「越境」することの意味について、話を伺った。前編・後編の2回に渡りお届けする。

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越境の原体験は「文化の波打ち際」での生活

――まずは、渡邉さんのこれまでのご経歴や今にいたる原体験などについてお伺いさせてください。

 これまでアテネ、東京、香港、ブリュッセルをはじめ、さまざま都市で暮らしてきました。特に、香港とブリュッセルでの経験は、これまでの生活の中でも記憶に残っています。その理由は「文化の波打ち際」にあると、今振り返りながら改めて感じています。

 香港は中国とイギリス、両方の文化によって育まれた都市です。国際的な製造や貿易、金融の拠点でもあります。ブリュッセルは、ベルギーの中にありながら北半分はオランダ語圏、南半分はフランス語圏に接している場所です。欧州委員会の本部をはじめとする国際的な組織の拠点もあります。このように複数の文化が衝突する場所では、特別な文化や偶然が醸成されます。その環境や空気感が、今の自分を作ってきたのでは、と考えています。

 takramには、スタートから半年頃の創業期のタイミングで参加しました。デザインとエンジニアリングの両方を扱うことを中心的な価値に据えて育ってきた組織ですが、私自身はデザインやエンジニアリングという領域よりも、takramという存在そのものに興味を持っています。takram自体が、多様な人が集い、ジャンルを超えて新しいものを生み続ける「波打ち際」なのです。

 寄せては返す波打ち際、これを例えばデザインとエンジニアリングに当てはめて捉え、さらにそれを越えようとしているところに面白さがあります。だからこそ、建築家もいればサービスデザイナーもいるし、デザインやエンジニアリングにとらわれない多様な人が増えてきています。アウトプットは、ブランディングもあれば空間、UXからテレビ番組など、とにかく多様です。クライアントとなる企業ごとに違う価値観や問題意識があるため、それに応えようとすると、自ずとtakramからのアウトプットにも幅が出てきます。

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「変わり続けることをやめない」と結果的に越境につながる

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