大企業でカーブアウトが必須になるいくつかの理由
栗原:今後、大企業がイノベーションをさらに加速するうえで、北瀬さんのこれまでの活動がヒントになると思います。カーブアウト(親会社による出資と外部資本の注入を組み合わせることで、新規事業の育成をスピーディーに進めることが可能と言われている手法)の事例として、本書ではdotData設立の過程が紹介されています。
北瀬:日本の大企業がイノベーションを実現するために、ぜひカーブアウトの仕組みを実装してほしいです。自社では事業化が難しいが、他社や投資家からすれば魅力があるアセットを日本の大企業は数多く保有しています。それを社外に一度解き放つことで、社会や産業全体に貢献できるのであれば、カーブアウトに取り組む価値は十分にあるはずです。外部のノウハウや投資などが必須である昨今のイノベーションの潮流からすると、カーブアウトは必須だと言えます。