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ビジネスアーキテクト養成講座

ビジネスアーキテクチャは「人・組織・プロセス」

第3回

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新たな事業環境への対処能力

 ビジネスアーキテクチャーセンターは、事業体内外の様々な組織との緊密な連携が必要となるため、その目的と役割を明確に定義し、利害関係者に理解してもらうことは非常に重要です。

 また、ビジネスの現状と将来のあるべき姿をしっかりと捉え、そのギャップを埋めるためのロードマップと実行プログラムを策定する必要があります。さらに、ビジネスの実行結果をモニタリングし、定期的に評価しなければなりません。その際、特定のビジネス要素だけでなく、複数のビジネス要素間の相互作用についても考慮するべきであり、ビジネスアーキテクチャーはそれをサポートします。

ビジネスアーキテクチャー実践のためのロードマップ図7:ビジネスアーキテクチャー実践のためのロードマップ

 さて、ビジネスアーキテクチャーは実際どのようなビジネス活動に対して活用できるのでしょうか。図8は、ビジネスアーキテクチャーが活用可能なビジネスケースのサンプルです。皆さんの会社において、これらのビジネスケースのたびに、内部および外部(コンサルタントなど)の人的資源を調達し、各々のプロジェクトに対して大変な時間、お金、労力を費やしていませんか。適切なビジネスアーキテクチャーを構築しておけば、これらの多くを大幅にカットできるとともに、各ビジネスケースのコンテキストを関係者に理解してもらうことを容易にします。

ビジネスアーキテクチャー活用のビジネスケース図8:ビジネスアーキテクチャー活用のビジネスケース

 さらに、ビジネスアーキテクチャーは、ITプロジェクトに対する要求開発と要件定義における基礎情報を提供します。ITプロジェクトの失敗の多くは、テクノロジー上の問題だけでなく、IT部門やインテグレーターによる対象ビジネスの理解不足にあるのではないでしょうか。ビジネスアーキテクチャーは、ITが実現するビジネスとその目的を明確にすることを支援します。

 今回お話しした内容は、複雑かつ多様なビジネス構造を持つ大きな組織を対象としていますが、第1回目でご紹介した通り、私たちの考えるビジネスアーキテクチャーは、中小企業や起業家を含むあらゆる規模の事業体においても活用できるものと信じています。

 また、ビジネスアーキテクチャーの概念モデルおよび関連する加工物の構築、可視化、分析、シミュレーション、レポーティングおよびその変更管理等の機能を提供するツールがあれば非常に便利ですよね。そのようなツールが現れるのを期待しています。

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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