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ログラス、FP&A実態調査を実施 成功企業と失敗企業の差は「権限不足」「事業部からの抵抗」

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 ログラスは、データドリブンな経営判断を支える重要な機能として注目されている「FP&A(Financial Planning & Analysis)」に関して、採用企業を対象とした実態調査を実施し、レポートを公開した。

 グローバル経済の不確実性が高まる中、企業はより精緻な経営管理と戦略的な意思決定を迫られており、日本企業でもFP&Aを効果的に活用する企業は意思決定の迅速化や予算精度の向上といった成果を上げている。しかし採用状況にはばらつきがあり、多くの企業が課題を抱えている。

 そこで同社は、この調査を通じて、成功企業と課題企業の違いや、採用・運用の障壁、成功要因を体系的に分析した。

 調査の詳細は次のとおり。

前提:FP&Aの成果と取り組むべき領域

 FP&Aの成果は単に数字をまとめることにとどまらず、予算策定、実績分析、将来予測を通じて経営陣の意思決定を支援し、改善施策を自ら提案・推進することで企業価値を向上させることにあるという。この成果創出のため、FP&Aの採用・運用では、次の主要な取り組み領域が存在している。

FP&A採用済みの企業において、成果を実感しているのは29%にとどまる

 「十分な成果が出ており、経営の意思決定や事業運営に明確な効果をもたらしている」と回答した企業は29.0%にとどまった。これは、FP&Aが適切なアプローチによって確実に成果を創出できる取り組みである一方で、多くの企業が採用に課題を抱えている現状を示している。

 FP&A採用企業では、特定の領域に偏るのでなく、「組織構築」「人材採用・育成」「経営管理プロセスの整理・高度化」「データの統合・活用/データベースの採用」の4領域を網羅的に取り組んでいる。

FP&A採用の成果を実感している企業の傾向

 売上高が大きい企業ほどFP&Aが経営の意思決定や事業運営に明確な効果をもたらし、十分な成果を実感していることがわかった。このことから、FP&Aはある程度の経営管理の成熟度があり、仕組みが整備され、人材がそろっている企業でより効果を発揮する可能性が考えられる。

 また、先述した通りFP&Aでは4領域の取り組みすべてが重要だが、「経営管理プロセスの整理・高度化」から取り組むケースが多いことがわかった。実際に、FP&A採用企業では同領域で最も成果を実感しており、「経営管理プロセスの整理・高度化」がFP&A推進における基盤として重要である示唆が得られた。

FP&A採用で成果を実感できない企業の傾向

 成果を実感できている企業とそうでない企業の間では、FP&Aにおける環境障壁の感じ方に大きな差が生じている。特に、成果が実感できない企業にとって劣位となったのは「十分な権限が与えられていない」ことと「事業部からの変革への抵抗」であることが発見された。これらの課題解決には、早期の成果創出によるFP&Aの価値実証から社内理解・権限拡張へのサイクル構築が重要であるといえる。

 調査結果から、十分な成果を出している企業は、取り組みやすい「経営管理プロセスの整理・高度化」から着手し、早期成果創出により社内理解と権限を獲得、他領域への投資拡大につなげる好循環サイクルを構築していることが明らかになった。一方で、成果が限定的な企業は早期成果創出に失敗し、理解低下・権限縮小・投資制約の停滞循環に陥る傾向が見られる。これらの分析から、FP&A成功の鍵は、好循環サイクルをいかに早期に構築できるかにあると考えられる。

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