2025年1月6日、デロイト トーマツ グループは「デロイト APEC CEO調査2025」の日本に関する結果を発表した。本調査は、米国、カナダ、オーストラリア、日本など18ヵ国・地域のCEOを対象に実施され、日本では上級経営者100名が対象となった。調査は2025年6月下旬から8月上旬にウェブ形式で行われ、今後12カ月(短期)および今後3年(中期)の業績・成長領域・経済環境認識を分析した。
短期的な自社業績については、世界の経営者の70%以上が前向きな見方を示した一方、グローバル経済への楽観度は10ポイント以上低下した。日本の経営者も同様に自社への期待は高いが、世界経済やAPEC地域経済の将来について比較的楽観的な傾向を示した。

企業成長の主な推進要因について、日本企業の経営者は「AIを含む技術活用」を短期(42%)で最も重視しており1位となったが、中期(31%)には3位へと下がった。一方、「イノベーション・新製品」は短期34%から中期38%へと増加し、成長ドライバーの首位となった。さらに「協業・販売チャネル拡大」による成長も短期32%から中期36%に上昇し、他国よりも重視される傾向が見られた。

グローバルでは、技術活用は短期42%から中期40%へ低下し、順位も1位から2位となった。一方で、イノベーション・新製品は29%から42%に増加、1位となった。米国では技術活用が依然1位で短期44%、中期47%と割合も上昇した。
これらより、日本企業の成長エンジンは、短期的には技術導入など内向きの取り組みに重点が置かれるが、中期では新製品開発や協業など外向きのイノベーション活動へと移行する傾向が特徴的である。
業務推進の障壁としては、日本の経営者の46%が短期的に地政学的不安定性を最大のリスクと挙げ、中期でも1位となった。次いで「労働力・技能不足」(40%)、「サイバーリスク」(39%)、「インフレ」(39%)が続くが、いずれも中期的にはリスク認識が低下する見込みである。代わって、サステナビリティや広範な社会問題のリスクが中期の関心事項として台頭している点も明らかとなった。

本調査は、社会や経済の変動に対し日本企業がどのように成長機会やリスク認識を転換しているかを示している。今後の企業戦略策定や新規事業、組織変革の方向性検討において、経営企画部門にとって有益な指針となる結果である。
【関連記事】
・デロイト トーマツ グループ、「役員報酬サーベイ(2025年度版)」の結果を発表
・デロイト トーマツ、AIにより顧客の反応を予測するサービスを「AI Garden lab」へ名称変更
・デロイト トーマツ、従業員エンゲージメント向上支援ツール「Engagement Agent」を提供
