フジクラは2026年5月14日、2025年度(2025年3月期)の連結決算および2026年度の業績予想を発表した。2025年度は、生成AIの急速な普及に伴うデータセンタ向け需要が強力な追い風となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益の全てで過去最高を更新した。
2025年度実績:情報通信事業が利益1.7倍と躍進、米国関税引当を吸収
2025年度の売上高は前年度比21%増の1兆1,824億円、営業利益は同39%増の1,887億円と大幅な増収増益を達成した。
- 好調な情報通信事業: データセンタ向けの需要伸長により、セグメント営業利益は前年度比1.7倍の1,527億円に達した。
- 一過性費用の計上: 米国子会社における原産国判断の相違に基づき、追加関税に備えた128億円の引当金を計上した。この影響で営業利益は前回公表値を下回ったものの、本業の勢いがこれをカバーし最高益更新に至った。
- 各事業の動向: 自動車事業やエネルギー事業も、インフレ影響の価格転嫁や高採算製品の出荷増により過去最高の利益を更新した。一方で、エレクトロニクス事業はサプライチェーン問題や競争激化、タイバーツ高の影響を受け減収減益となった。
2026年度見通し:売上高1.2兆円、営業利益2,110億円とさらなる成長へ
2026年度の通期業績予想は、売上高1兆2,430億円(前年度比5%増)、営業利益2,110億円(同12%増)と、さらなる過去最高更新を見込む。
- 成長の柱: 情報通信事業においてデータセンタ向けの強い需要が継続する見通しであり、営業利益率は25.8%まで高まる計画だ。
- リスクと対策: 物流停滞や原材料調達の懸念など不確実性はあるものの、トランプ関税の還付期待や強い需要を背景に好調な推移を予測している。
- 株主還元の強化: 業績目標の達成に合わせ、配当性向40%を維持。2026年4月付の株式分割(1株→6株)を考慮した実質的な年間配当は、前年度の225.0円(分割前換算)から228.0円(同)へ増配する方針を示した。
今後の展望:構造改革の成果と資本効率の向上
同社は、2025年度末時点で自己資本比率が57.8%(前年同期比8.7ポイント上昇)に改善し、有利子負債も大幅に削減するなど財務基盤を強化している。今後は、好調な情報通信事業を核に、生成AIインフラの拡大を取り込むことで持続的な企業価値向上を目指す構えだ。
【関連記事】
・パナソニックHD、2025年度決算は減収減益 構造改革完了で26年度はV字回復、過去最高利益見込む
・関西ペイントの2025年度決算、売上高は5期連続で過去最高を更新 アフリカ事業が大きく寄与
・NEC、2025年度決算は増収増益 国内IT・防衛事業が好調
