パナソニック ホールディングスは2026年5月12日、2025年度(2025年3月期)の連結業績および2026年度の業績見通しを発表した。2025年度はオートモーティブ事業の非連結化や構造改革費用の計上により、減収減益となった。一方、2026年度は全てのセグメントで実質増収を見込み、調整後営業利益は過去最高の6,000億円を目指す強気の見通しを示した。
2025年度実績:車載電池の不具合対応や構造改革で減益
2025年度の売上高は前年比5%減の8兆487億円、営業利益は同52%減の2,364億円となった。
- 売上高の要因:コネクトやインダストリーが増収となったものの、オートモーティブ事業の非連結化影響に加え、エアコン(HVAC & CC)や家電(スマートライフ)の減収が響いた。
- 利益面の要因:生成AI関連の需要を捉えたインダストリーなどが大幅な増益を達成したが、エナジーセグメントにおいて車載電池の製造不具合対応費用(一過性)を計上したことや、グループ経営改革に伴う構造改革費用(1,745億円)を計上したことで、全体では大幅な減益となった。
2026年度見通し:AIインフラ需要と構造改革効果で大幅増益へ
2026年度の通期業績見通しは、売上高が7兆6,000億円、営業利益が5,500億円、調整後営業利益が6,000億円と、実質的なV字回復を計画している。
- 収益性の向上:2025年度までに完了した構造改革により、2026年度は1,000億円規模(前年度比)の利益押し上げ効果を見込む。
- 成長領域への集中:AIデータセンター向けの蓄電システムや、生成AIサーバー用の電子部品(コンデンサ、多層基板材料)が引き続き旺盛な需要を獲得し、業績を牽引する見通しだ。
- 株主還元の強化:業績回復を背景に、2026年度の年間配当は前年度から14円増配し、1株あたり54円とする予想を公表した。
今後の注目点:エナジー事業の再加速とポートフォリオ改革
エナジー事業では、北米カンザス工場の量産開始(2025年7月予定)により、車載電池の販売量を46GWh(前年実績38.7GWh)まで引き上げる計画だ。また、ポートフォリオマネジメントとして、ハウジング事業や車載事業(Ficosa)の譲渡手続きを2026年3月までに完了させるなど、成長領域へのリソース集中を加速させる。
なお、中東情勢の悪化やメモリ価格の高騰といったリスク要因として、あらかじめ300億円のマイナス影響を業績見通しに織り込んでいる。
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