佐々木正悟
心理学的見地にもとづいた効率的な仕事ノウハウに定評があり、 書籍やオンライン連載の執筆の傍ら、「タスク管理」「時間管理」のコンサルタントとして活動。
海老名久美
Webメディアを中心に、書評やアプリレビューなどの記事を多数執筆。仕事のために、国内外のテック系ニュースを幅広くチェックしている。
Macでのアイデア出しと整理
佐々木「海老名さんは、もちろんMacをお仕事に使っていると思いますが、セミナーや執筆の準備のために使っているツールはありますか?」
海老名「準備というと、アイデア出しとか、実際に書いたり作ったりする前の段階ということですか?」
佐々木「そうです。」
海老名「まだ考えがまとまっていない状態のときは、画面のあちこちにテキストを打っていける「Scapple」というアプリを使っています。その後は、アウトライナー系のアプリを使うことが多いですね。」
佐々木「アウトライナー系というと?」
海老名「項目の親子関係が分かりやすいように、ツリー状にテキストを並べられるアプリなんですが、「OmniOutliner 4 Pro」や「Tree 2」といったアプリがあります。」
トップダウンとボトムアップ
(以下、佐々木)この連載にしても「Macをより便利に使うために」というテーマで、たちまちのうちに関連事項をどんどん思いつき、それを章や節に分解していくだけで、企画がまとまるケースもあるでしょう。典型的にトップダウンで連想をまとめるやり方です。
なんとなく、アウトライナーというのは、こういうやり方に向いたツールであるというイメージがあります。
他方で、「Macをより便利に使うために」というテーマを漠然と頭に置いていても、あまり関係ないことまで連想したり、関係しているけれども枝葉のことをどんどん深めたりしてしまうという人もいるでしょう。
こうしたケースでは、どのアイデアが重要であるかがわからないし、そもそもアイデアのほとんどは使い物にならないかもしれません。しかし、アイデア自体は面白いものが多かったりすると、それはそれでどこかに確保しておきつつ、テーマに役立つ項目だけをひとまとめにして、どうにかこうにか全体をまとめ上げる。
これはボトムアップと呼ばれるやり方の一例でしょう。
いろんなアイデアをメモやカードに書いておいて、後でそれをまとめるというやり方がこれに近いと思うのですが、そのためのMacのツールとなると、案外と少ないものです。アウトライナーをボトムアップに役立てても、もちろんよいわけですが、ここでは幅広いアプリに詳しい海老名さんに、ボトムアップのためのアプリも紹介していただきます。