2026年3月3日、LegalOn Technologiesは、企業の法務業務従事者500名を対象としたAIエージェント活用実態調査の結果を発表した。調査によれば、法務領域のAIエージェントに対する「認知」が85%、うち「内容まで理解している」割合は45%にとどまり、「利用経験」は40.2%だった。関心の高さに対し、理解と導入が十分に進んでいない「普及の過渡期」にあることが明らかとなった。

企業規模別に見ると、従業員1,000名以上の大企業では「利用経験あり」が51.2%と半数を超える一方、1~99名の企業では24.0%にとどまった。大企業では「活用・拡大フェーズ」へ、中小企業では「未導入・様子見」と、二極化が進行している。
AIエージェントの活用方法については、「レビュー補助」などの「一部工程への利用」が52%と主流であり、企業規模によって導入フェーズに違いが見られる。大企業では「部分委任として定着」、中規模企業では「フル活用への挑戦」、小規模企業では「限定的利用から開始」という傾向が明確だった。
AIエージェントの活用領域は「契約関連業務」に集中している。具体的には「契約書ドラフト・条文案の作成」(49.8%)、「契約書レビューおよび修正案の作成」(48.3%)のほか、「要点整理」や「リスクチェック」など判断支援業務への利用も進んでいる。
導入効果としては、「対応スピードの向上」(50.2%)、「業務工数の削減」(44.3%)のほか、「抜け漏れの減少」や「判断ばらつきの抑制」など、効率化とリスク低減の両面での効果が挙げられた。
一方で、未導入の最大の壁は「正確性」(54.5%)と「セキュリティ」(36.8%)。条件が整えば導入したい未利用者は約6割に上るが、ハルシネーションや情報管理への懸念が根強い。中小企業では「理解不足」、大企業では「社内ガバナンス」が課題として浮かび上がった。
今後、正確性・セキュリティの確保と、企業規模ごとの課題解決がAIエージェント普及のカギとなる。利用経験者の約9割が「AIエージェントの活用範囲拡大」を希望しており、継続的・本格的な業務組み込みへの動きが広がっている。
法務AIは、補助ツールとしてだけではなく契約書レビューや判断支援など業務パートナーとしての進化が求められつつある。高精度な専門特化型AIが、法務組織の競争力強化や新たな業務変革に寄与することが期待される。
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