戦略投資にはビジネスプランが重要
このような問題が生じるのは、もともと金融投資の評価に使われてきたファイナンスの知識を、そのままリアルなビジネスに活用していることが一因になっています。たとえば、金融投資の評価では、いつ頃・どの程度のリターンが得られるか、データに基づいて分析してバリュエーションが行われています。バリュエーション用のデータが得られない場合には、リスクが高過ぎると見なされて取引が成立しないこともあります。一方で、リアルなビジネス、特に戦略投資では、いつ頃・どの程度のリターンが得られるか、決まっていることは、まずありません。
このような戦略投資で重要なのは、ビジネスプランです。いつ頃・どの程度のリターンを狙うのか、その狙いは、どの程度確からしいのかをビジネスプランとして示すことができれば、バリュエーションを行い、さらにどの程度確からしいかを考えることが可能になります。
次回は、戦略投資のような不確実な事業に適したビジネスプランニング手法「仮説指向計画法(Discovery-Driven Planning)」をご紹介します。どうぞお楽しみに!