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『ベンチャー白書2015』

「大企業×ベンチャー」のオープンイノベーションをデータから俯瞰する

『ベンチャー白書2015』のエッセンス(第2回:CVC編)

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増加傾向にある事業会社のベンチャーへの出資の仕組み

 未上場のベンチャー企業のバリュエーションが高騰していることを受け、投資先を取捨選択する姿勢を強めているVCが増えています(前回の記事を参照)。その一方で、非金融事業法人、つまり銀行や証券会社のような金融機関ではなく、一般の事業会社によるベンチャー企業への投資は、増加傾向にあるようです。

 従来、多くの日本企業は、自社の研究成果を事業化するという「自前主義」が主流で、外部のイノベーションを取り入れる試みはあまりみられませんでした。しかし、自前主義だけでは事業化までのスピードが遅く、また、イノベーションにも限界があるという指摘もあります。競争力を維持するために外部で生まれたイノベーションも活用する、いわゆる「オープンイノベーション」への取り組みが活発化してきました。その結果、日本企業もオープンイノベーションによる協業先の一つとしてベンチャー企業に目を向け始めています。オープンイノベーションの一つの手段として注目されているのが、事業会社によるベンチャー投資である「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」です。CVCによる投資のパターンを整理すると、図1のようになります。

CVCの形態図1. CVCの形態

 図中に、「ファンド」「LPとして出資」という表現が出てきました。ベンチャー企業に投資する場合、出資者が直接資金を渡すケース(直接投資)と投資ファンドを設立(「組成」と呼ぶことが多いです)して、いったんファンドに資金を集めてから投資を実行するケース(組合投資)があります。一般的なベンチャー投資ファンドは、図2のような仕組みになっています。日本のベンチャー投資ファンドの多くは、投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)に基づいた「投資事業有限責任組合(LPS)」として設立されています。また、投資事業有限責任組合の場合、運営者以外の出資者のことをLP(Limited Partner=有限責任組合員)と呼びます。

ベンチャー投資ファンドによる出資の流れ図2. ベンチャー投資ファンドによる出資の流れ

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この記事の著者

一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター(イッパンザイダンホウジンベンチャーエンタープライズセンター)

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