佐々木正悟
心理学的見地にもとづいた効率的な仕事ノウハウに定評があり、 書籍やオンライン連載の執筆の傍ら、「タスク管理」「時間管理」のコンサルタントとして活動。
海老名久美
Webメディアを中心に、書評やアプリレビューなどの記事を多数執筆。仕事のために、国内外のテック系ニュースを幅広くチェックしている。
行動を促すタスク管理術
佐々木「海老名さんは、Macで仕事のスケジュール管理やタスク管理もしていると思いますが、標準のカレンダー以外に、どのようなアプリを使っていますか?」
海老名「まず、スケジュール管理には、「Fantastical 2」というアプリを使っています。予定を入力しやすく、1カ月単位での予定が見やすいところが気に入っています。」
佐々木「そうですか。タスク管理は「OmniFocus」を使っていると伺ったことがありますが?」
海老名「はい。「OmniFocus」で、プロジェクトごとにタスクを書き出して、取りかかる日を決めています。タスクの締切当日にそのことを思い出しても間に合いませんから、タスクに取りかかる日を特に重視しています。」
佐々木「たしかに、「いつそのタスクに取りかかるか」というのは非常に重要な問題です。タスクに実際に取りかかる時間などは、記録していますか?」
海老名「iPhoneでは「たすくま」というアプリを使っていますが、Macでは「Timelime」というアプリを使っています。タスクの開始時刻と終了時刻を記録できるアプリなのですが、最近iPhone版もリリースされて、便利になりました。」
電子データのやりとりで予定が決まる世界ではデジタル管理が合理的
(以下、佐々木)
Omnifocusなど、Macのタスク管理ツールは、非常に高機能ですし、インターフェイスも美しいし、ほぼ申し分ないのですが、結構高価です。
とはいっても継続的に課金されるわけでもないので、ずっと使い続けると思えば、支払えない金額でもないでしょう。問題は、ずっときちんと使うかどうか、という点です。
スケジュールやタスク管理というのは、仕事管理の基本ですし、多くの用事がメールなど、電子形態でやりとりされる現在、デジタルでなるべく管理したほうが、実際のところ合理的です。予定や用事を記憶しておくのは心許ないし、仕事によってはとても記憶しきれるものではないでしょう。
高機能なツールの最大の問題点は、買って使うまで、そもそも機能の全貌が見えないことです。この記事で重要なポイントを頭に入れながら、購入するか、そのまえに体験版を試してみるかどうかなども、判断してください。
文章で予定を入力できる「Fantastical 2」
(以下、海老名)
Macには、標準でカレンダーアプリがインストールされているので、特に強いこだわりがなければこれで十分だと思います。それでも、私が「Fantastical 2」を使っているのは、自然な文章で予定を入力できることと、カレンダーの表示方法を、自分の好みに合わせてカスタマイズできる点が気に入っているからです。
Macのカレンダーアプリでもうまく入力すれば、単語を入力していくだけで予定を入力することはできますが、Fantastical 2の場合はもう少し自然です。メールで予定を決めるやりとりをしたそのままの文章を、Fantastical 2に入力するような感覚なので、「カレンダーに予定を追加する」ことの煩わしさが軽減されます。また、月間カレンダーと、週や日などのビューの組み合わせが視線の動きに合っていて、予定を確認しやすいのです。
さらに、標準カレンダーでは、表示したくないカレンダーがある場合はチェックをはずしますが、Fantastical 2ではあらかじめカレンダーのグループを作っておいて、必要に応じてグループを切り替えるだけで、予定の表示のされ方を自在に切り替えられます。仕事の予定とプライベートの予定を、それぞれ複数のカレンダーで管理している場合、この切り替えは本当に便利です。