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人工知能社会論からの考察

AI時代に「人文社会科学」は不要なのか?

第1部:人工知能社会論とは何か?(第1回)

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第四次産業革命の起爆剤となる重要技術は「汎用AI」

 AI研究者が「言語の壁」を乗り越えた先に夢見ているのは、「汎用人工知能」(汎用AI)の実現である。今あるAIは全て、「特化型人工知能」(特化型AI)である。特化型AIは、一つの課題しかこなすことができない。SiriやGoogleの検索エンジンなど、既存のAIは全て「特化型」である。それに対し、「汎用AI」は人間のようにあらゆる課題をこなし得る。一つのAIがチェスをしたり、会話をしたり、事務作業を行ったりする。汎用AIは研究開発の途上にあり、この世にはまだ存在していない。汎用AIは現在、アメリカでもヨーロッパでも研究開発が進められている。日本では、2015年に発足した非営利組織「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ」が汎用AIの実現を目指しており、2030年にはその目処が立つという展望を示している。

 現在、第三次産業革命(いわゆる情報革命)が進行中であり、2030年頃に起こるとされる次の革命は「第四次産業革命」と言われている。その革命の起爆剤となる重要な技術は、3Dプリンターとも「モノのインターネット」(Internet of Things, IoT) とも言われているが、私は「汎用AI」こそがその本命だと考えている。

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この記事の著者

井上 智洋(イノウエ トモヒロ)

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