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ホラクラシーを「株式会社」で実践することの課題、人材を惹きつける未来の組織と働き方

ダイヤモンドメディア 武井浩三氏 × Lean Startup Japan 和波俊久氏 対談第3回

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 2007年の創立以来、ホラクラシー型の経営の追求を続けているダイヤモンドメディア株式会社。創業者である武井浩三代表取締役に、Lean Startup Japan代表の和波俊久氏がインタビューした。後編では、ホラクラシーにチャレンジするときに重要な考え方や、会社組織の今後について議論した。今までの連載はこちらから。

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ホラクラシー経営の参考にしたのは「自然農法」の考え方

和波(Lean Startup Japan LLC 代表社員 プロセスコンサルタント):
 武井さんは、ホラクラシーのような方法を再現性のあるものにするために、体系化が重要だと言っていましたね。

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 はい。お話してきたようなホラクラシーの導入方法をまとめ、社外で講演したりもしています。
 ただ、ホラクラシーというのは「複雑系マネジメント」と呼ばれる領域の組織形態です。生物のような複雑性を備えていて、組織図のような2次元では表現できない、立体的な3Dの世界なんですね。それをどう体系化するかとなると、まずはプロセスの部分になります。「1.定量的マネジメントの土台を作る」、「2.コミュニケーションのインフラを整える」、「3.権力を開放する」というステップを進めていく中で、自然と必要な制度設計ができてきたという感じです。

和波:
 進めていく中で、参考にしたものはありますか?

武井:
 あまり前例がないので、最初は深層心理学やダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」に代表されるような行動経済学など、「そもそも人間とは何なのか」ということについて、かなり本を読み漁りました。それで人間というものに合わせて制度を作ろうとした結果、前回までに説明したように経済合理性が伴わなくて失敗したんです。
次に、「組織としてやっていくには個人も大事だけど全体も大事だ」ということで合理的な経営手法というものも勉強し、アメーバ経営や管理会計、ABMのような管理手法を取り込んでいったわけです。
 そういった中、『わら一本の革命』という本を書かれている福岡正信さんの自然農法の取り組みはかなり参考になりました。彼は「自然というのがもっとも最適化された状態である」と考えて、できる限り人間が手を加えることのない農法を確立した方なんです。例えば「不耕起栽培」と言って、できるだけ耕さない。それから雑草も虫も取らないんですね。必要があれば自然のものを使って最適化するように整える。植物が自分で育つ能力が100%発揮されるように整えれば、人工的な方法で栽培するよりもほったらかしにした方が長期にわたって収穫率が上がります。その上、ほったらかしであるということは人間がほとんど働かないわけだから、労働対収穫量で見ても経済合理性が高いというわけです。これはホラクラシーに通じる考え方です。

和波:
 自然農法の話と経営とを結びつけて考えるというのは、なかなかなく、興味深い視点ですね。

武井:
 ホラクラシーって、企業風土や優秀な人材がいるかどうかということよりも、前提条件と制度設計が重要なんですよ。国家の近代化の条件と同じなのですが、特に私有財産権と基本的人権が認められているという前提が大事で、それを合理的に実現しやすい制度設計を整えれば、あとはほとんど何もいらないんです。教育制度やモチベーションを上げるための施策も必要ありません。

和波:
 それが「自然の摂理に従う」ということなんですね。

武井 浩三武井 浩三 氏(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役/創業者)

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